Claude、銀行口座と連携し最大2年分の取引を閲覧可能に

Claude、銀行口座と連携し最大2年分の取引を閲覧可能に

Anthropicは、Claudeに「Personal Finance」という機能を追加した。ユーザーはPlaidを通じて銀行口座やクレジットカード口座を連携させると、「今月のお金は何に使った?」とそのまま質問できる。Claudeは支出を家賃・光熱費、買い物、外食などのカテゴリーに分け、概要をまとめる。今週から、この機能は米国のPro、Max、Ultra契約者向けにベータ版として提供されている。

家計の振り返りにとどまらず、もう少し幅広い質問にも答える。次の給料日までに支払っていない費用は何か、旅行のような大きな出費は負担できるか、毎月どのくらい貯蓄に回せるか、といった内容だ。分かりにくい金融用語を説明させることもできる。

見られるもの、できないこと

認可は読み取り専用である。Anthropicは、Claudeは送金できず、ユーザーの資金を管理したり運用したりすることもなく、投資助言を行うよう設計されたものでもないとしている。

連携後にClaudeが読み取れる情報は、銀行名、口座名と種類、口座番号の下4桁、残高とクレジット枠、そして最大2年分の取引履歴だ。2年分の入出金があれば、収入のリズム、固定費、消費の癖が見えてくる。月次の明細1枚より、情報量ははるかに多い。

間をつなぐのがPlaidだ。ネットバンキングのパスワードはClaudeを通らず、銀行側も見慣れないAIプログラムが直接口座にログインしてくる事態を避けられる。Plaidは米国のフィンテック業界で広く使われる口座連携サービスで、家計簿アプリや貸付系アプリの多くが銀行データの取得に利用している。

流出から公開まで

この機能は、公開前に見つかっていた。9月中旬、あるメディアがClaudeのiOSアプリ内に「Claude Money」というモジュールを発見し、画面にはすでに「Link with Plaid」ボタンがあった。10月の続報では、名称がPersonal Financeに変わったと伝えられた。発覚からベータ公開まで2カ月足らずで、結局iOSだけには限定されなかった。

先行したのはOpenAIだ。ChatGPTは5月に同様の機能を投入しており、やはりPlaidで銀行口座に接続する。接続事業者は同じで、製品の形も近い。まず読み取り専用の支出分析と質問応答を提供し、資金の操作には一切手を出さない。違いは展開の仕方で、今回のClaudeは有料プランのみ、しかも米国限定だ。

"Personal Finance is a first step. For life's bigger money decisions, we think people are best served by Claude working alongside the licensed professionals and regulated firms they trust."

(Personal Financeは第一歩にすぎません。人生における大きなお金の判断については、ユーザーが信頼する認可を受けた専門家や規制下の事業者と、Claudeが並んで支援する形が最も役に立つと考えています。)

Anthropicは発表の末尾で、Claudeの中でこうした協働を実現する方法を検討しているとし、銀行、資産運用会社、金融サービス企業に設計への参加を呼びかけている。この書きぶりからは、Claude自身が投資助言の資格を取る考えはなく、今後は認可を受けた機関を取り込み、助言や取引の部分は相手側が担う形になる可能性が高い。

まだ明確でない点

2年分の取引をチャットボットに預けるとなれば、まず気になるのはデータの扱いだ。公開されている説明には、この取引データがモデルの学習に使われるのか、Anthropic側でどのくらい保存されるのか、ユーザーがPlaidとの連携を解除した後、すでに読み込まれた記録が削除されるのかが書かれていない。Claudeの通常の会話にはすでにデータポリシーがあるが、銀行データが同じルールに従うのかどうか、公式は個別には説明していない。

中国国内のユーザーは、当面この機能を使えない。対象は米国の契約者に限られ、Plaidの対応銀行も北米と欧州に集中している。中国国内で同様のニーズは、現状では銀行アプリ標準の収支分析や、決済ツールの年間支出まとめで満たすのが主流だ。

参考資料: The Verge、TestingCatalog、CocoLoop。機能が提供される契約プランと地域、読み取れるデータ項目、取引履歴の期間を確認した。