商品画像づくりで最も避けたいのは、背景は理想どおりに替わったのに、カップ自体が変わってしまうことだ。取っ手がひと回り太くなり、縦の溝が数本消える。そのまま商品ページに載せれば、届いた現物と見比べた購入者からの返品・クレームにつながる。
GPT Image 2.6の訴求点のうち、EC事業者にとって最も実用的なのがこの部分である。OpenAIはSunburstモデルについて「higher-quality generation and greater consistency across edits」、つまり生成品質の向上と、複数回の編集をまたいだ一貫性の向上を挙げている。どの程度良くなったのか、公式は数値を示していないため、実際に1つの商品で試すしかない。
架空の商品1点、シーン替え2回
今回は架空の商品として、クリームホワイトのマット陶器製ハンドドリップ用ドリッパーを用意した。外壁には細かい縦の溝があり、小さな取っ手が付く。まず参考用に白背景のスタジオ撮影風画像を1枚生成した。

その画像をもとに、続けてシーンを編集した。プロンプトの構成は単純で、先に何を変えるかを書き、次に何を動かしてはいけないかを書く。
1つ目のシーンはウォールナットの天板に朝の窓光を当てたもので、本記事のトップ画像にあたる。2つ目はグレーの石材に植物の影を落としたもの。どちらも環境と光だけを変更した。

3枚を並べると、カップの形、溝の向き、取っ手の曲線はおおむね一致している。木の机のシーンではハイライトと影も窓光に沿っていた。ただし木の机版は釉薬の色が白背景版より暖かく見える。これは光によるもので、出品前に許容できるかどうかを判断する必要がある。
この画像群はCodexで、Images 2.6の機能に従って生成するよう明示して作成した。ツールの受領記録にはモデルのバージョンが表示されないため、実際に2.6で生成されたかどうかは確認できない。同種のワークフローの参考として見てほしい。
中国語ポスターは合格、GIFは惜しい
2つ目の検証は中国語だ。縦型ポスターに2行だけ文字を入れるよう依頼した。

「慢一点,手冲」(「ゆっくり、ハンドドリップで」)と「新品上架」(「新商品入荷」)はどちらも正しく書かれ、誤字も余計な文字もなかった。文字数が少なく字が大きい場面なら、かなり安心できる水準だ。文字が密集した販促コピーは試していない。公式ドキュメントによれば、文字が密集する場合や複雑なレイアウトではcomplexityを上げる必要があるが、その分遅くなり、意図しない変更が入ることもあるという。
3つ目はGIFで、ドリッパーがターンテーブルの上で少し回る動きを作らせた。

こちらは6コマのスプライトシートを作り、それを合成する方法を取った。スロー再生でコマ送りにすると、取っ手の形と縦の溝にわずかな変形がある。商品ページのメイン画像としては許容できず、360度表示が必要なら実写に頼るしかない。SNSやキャンペーンページの雰囲気づくり用の小さなアニメであれば、問題は小さい。
任せられる作業、任せられない作業
今回の結果から、次のように分担するのが妥当と考える。
- 任せてよい:シーン画像、季節ごとの背景替え、同一商品のカラーバリエーション確認、SNS用の画像、広告素材の複数パターン検証。
- 人の確認が必要:文字入りのポスターやA+詳細ページのレイアウト。文字と数字は1つずつ照合する必要がある。
- 引き続き実写:メイン画像、サイズ図、素材のクローズアップ、そして購入者が実物を判断する材料になるあらゆる画像。
最後の区分の原則は明確だ。AI画像は使用シーンを表現できるが、商品そのものについて購入者に誤った期待を抱かせてはならない。
どこで使い、どう始めるか
すでにChatGPTを使っているチームなら、そのまま始められる。参照画像を保存できるのは今回の新機能で、公式の例は本人、ペット、キャラクターだった。商品も同じように保存して使い回せるかどうかは、各自で試してほしい。
商品画像を専用のワークスペースで作りたいなら、PixPixでGPT Image 2.6を使う方法がある。同ページは手順を3つに分けており、上で試行錯誤して行き着いたやり方とほぼ一致する。
- 方向を決める。参照画像をアップロードするか、新しいシーンを説明する。
- 要件を書く。被写体、構図、光、残したいディテールを明記する。ページの例では、ランプをウォールナットのサイドテーブルに置き、形とセージグリーンの表面を保つよう求めている。
- 確認してから修正する。1回につき、明確な変更は1か所にとどめる。
3つ目の手順は当たり前に見えるが、実際にはコストの節約になる。一度に5か所の修正を求めると、失敗したときにどの指示が原因か分からなくなる。
モデルの選び方について、PixPixの説明ではFlareは素早い反復向き、Sunburstは精細な作品と複数回の編集をまたぐ一貫性向き。ワークスペースの初期選択はSunburstだ。私たちの提案は、方向を探る初期段階はFlareで何パターンも出し、方向が決まったらSunburstで仕上げることである。両者のAPI単価は同じで、実際に何クレジット消費するかはワークスペース内の表示を見る必要がある。モデルページには価格が載っていないため、契約前に確認しておくとよい。
サイト内には商品画像セット、A+詳細ページ、モデル試着といったEC向けツールもあり、一式をまとめて作る場合は併せて見ておくとよい。ワークスペースに入るには先にログインが必要だ。これらの機能は今回実測しておらず、効果は自社商品で試した結果次第である。
一番売れている商品を選び、実写1枚で2つのシーンを作って、結果を元画像と並べて見てほしい。この方法が自社のカテゴリーに合うかどうかは、すぐに見当がつく。
参考資料:CocoLoop、OpenAI開発者コミュニティのお知らせ、OpenAI画像生成ドキュメント、PixPix GPT Image 2.6ページ。商品は架空、画像は当サイトでの実測で、モデルのバージョンは確認できていない。