ByteDanceのAIエージェント製品「豆包ワーク(Doubao Work)」は11月6日、個人版の利用枠ルールを改めた。5時間あたりの利用上限を撤廃し、個人ユーザーは週間枠のみの制約を受ける。1週間のうち、いつ使うか、まとめて使うか分散させるかは利用者次第となる。週間枠の大きさやその他の利用ルールは変わらず、契約プランごとの設定がそのまま適用される。具体的な数値はアプリ内の「設定」→「サブスクリプションと枠の管理」で確認できる。
この変更は時代財経(Time Finance)が最初に報じ、ITホーム(IT之家)などが続いた。週間枠の引き上げは同時には発表されていない。
二つの制限が一つに
変更前の豆包ワークでは、有料プランの利用枠が二つのローリング期間で同時に計測されていた。5時間と7日間で、どちらか一方を使い切ると利用が一時停止される。最も多かったのは、週間枠にはまだ十分余裕があるのに5時間枠が先に底をつき、タスクの途中でリセットを待つしかないというケースだ。
豆包ワークは生産性ツールとして位置づけられ、タスクの目標に応じて自分で手順を分解し、ツールを呼び出しながら、調査分析、文章作成、データ処理、アプリ開発などをこなす。こうしたエージェント型のタスクは1回あたりの消費が大きく、時間的にも集中しやすい。業界調査や小さなアプリ1本でも、検索やコード実行を大量に呼び出しながら1~2時間続けて動くことが珍しくない。5時間という窓はチャット形式の質疑応答ではほとんど意識されないが、長時間のタスクにとっては固い上限になっていた。
有料プランについては、豆包プロフェッショナル版(豆包专业版)が以前、標準・強化・上級の3段階で報じられている。継続月額はそれぞれ68元、200元、500元で、枠は無料版のおよそ5倍、20倍、50倍とされた。これらの数字は第三者がまとめたもので、価格は公式の購入ページが正となる。今回の変更で価格は動いていない。
海外の同種サービスはどう運用しているか
「5時間のローリング枠+週間枠」という二層の計測は、海外のコーディング系・エージェント系製品で一般的な方式で、豆包ワークもこれを踏襲していた。ここ数か月、各社の調整の方向は一致していない。
- Anthropicは月額200ドルのClaudeプランをUltraに改称し、同時にこのプランの5時間制限を撤廃した。
- OpenAIはChatGPT Plusに5時間制限を再び導入し、12月からはChatGPTとCodexの利用枠を統合して計算する予定だ。
- Claude Codeの週間上限は先に25%引き上げられたが、当時の当方の試算では、実際に使える量は変更前より約17%少なくなっていた。
横並びで見ると、短期の制限を外した各社は、いずれも週間枠は残している。今回の豆包ワークの方式はClaude Ultraに近く、違いはプランを問わず個人版全体に適用される点だ。
短期の制限は主にピークを抑える役割を担う。平日の日中に多くのユーザーが一斉に長時間タスクを走らせると、計算リソースが数時間に集中する。制限をなくせば、ピーク時の待ち行列の圧力はサーバー側に移る。豆包ワークがこの負荷を待機、速度低下、小型モデルへの切り替えなどで吸収するかどうかについて、公式の説明は触れておらず、現時点では裏づけるだけのユーザーの声も集まっていない。
有料ユーザーにとっての実際の変化
週に1~2日だけ集中的に使うユーザーほど、変化を実感しやすい。以前は1日のうちに5時間枠で何度も区切られていたが、今後はその日の作業を一気に終わらせられる。毎日均等に使う人にはあまり変化がなく、週間枠が引き続き上限となる。
ByteDanceは最近、豆包ワークへの機能追加を立て続けに行っている。キャンバス機能の追加、マルチエージェントの並列実行とMac上でのPC操作への対応、録画したPC操作をスキルとして保存する機能、ChatGPTなどの製品から会話とメモリーをワンクリックで取り込む機能に加え、法人向けにはKimi、GLM、DeepSeekなどのサードパーティモデルも接続した。こうした機能と合わせて見ると、利用枠の緩和は、より長く重いタスクを任せてもらうという方向を向いている。
参考資料:時代財経、ITホーム、CocoLoop、豆包ワーク ヘルプセンター。5時間と7日間の二つのローリング枠、および第三者がまとめたプロフェッショナル版3段階の月額料金を確認。