GPT Image 2.6、単価は据え置きでも請求額は増える可能性

GPT Image 2.6、単価は据え置きでも請求額は増える可能性

GPT Image 2.6の料金ページは一見すると分かりやすい。FlareとSunburstは同額で、画像出力は100万トークン当たり30ドル、画像入力は8ドル、テキスト入力は5ドルと、2.5と変わらない。

ただ、アップグレードの前に、開発者は以下の点を計算しておいたほうがよい。

単価は同じでも、1枚あたりの費用は同じとは限らない

OpenAIの開発者コミュニティで、ある開発者が同一プロンプトでの比較サンプルを投稿した。mediumクオリティの出力は、2.5が344トークン、2.6が1,136トークンだったという。

100万トークン当たり30ドルで概算すると、1枚あたりの出力費用は約1セントから約3.4セントに上がり、この項目だけで3.3倍になる。この開発者はlow設定ではさらに倍率が高く約4.2倍、high以上ではほぼ同等と見積もっている。

これは個人のサンプルと推計であり、OpenAIが同種の数字を公表しているわけではない。ただ、移行前に料金表だけを見ていては足りないことは示している。現実的な方法は、同じ約20個のプロンプトを2.5と2.6の両方で実行し、1枚ごとの出力トークンを比べてから切り替えを判断することだ。

2.6にない2つの機能

Batch。2.6の2モデルのページはいずれもv1/batchを非対応としている。2.5 FlareはBatchを使え、出力単価は標準の半額、100万トークン当たり15ドルになる。毎晩大量のビットマップ画像を生成する業務なら、2.5にとどまるほうが明らかに安い。

固定スナップショット。2.6は現時点でデフォルトのスナップショットしかなく、2.5にはgpt-image-2.5-flare-2026-09-08のような日付付きバージョンがある。出力の安定性が重要な本番サービスでは、この点をリスクとして見込んでおく必要がある。

新パラメーターの使いどころ

新しく加わったcomplexityにはlow、medium、highの3段階があり、モデルが描画前にどれだけ計画を立てるかを制御する。省略時の既定値はhighで、変更しても追加料金はかからない。

既定がhighである点は見落としやすい。公式ドキュメントははっきり書いている。低い値は背景の差し替えのような限定的な編集に向き、高い値は細かい文字や複雑なレイアウトに有効だが、遅延が増えたり、意図しない変更が入ったりすることがある。部分編集を行うAPIでは、明示的にlowから試すことを勧める。

そのほかの新機能の制限をまとめておく。

機能使い方制限
SVGoutput_format: "svg"、生成エンドポイントで利用nは1のみ。ストリーミングと部分画像は非対応。編集エンドポイントではSVGを出力できない
GIFoutput_format: "gif"にframe_countとframe_duration_msを指定既定は9フレーム、1フレーム200ミリ秒。フレーム数の上限はドキュメントに64と16の2通りの記載がある
マークアップ編集POST /v1/images/editsに透明PNGの注釈レイヤーを渡す幅と高さは元画像と同一にする。maskやprompt_rewriterとは併用できない

なお、GPT Imageモデルを使うには組織認証が必要になる場合があり、新規アカウントはその期間を見込んでおきたい。

速度と品質の主張をどう見るか

「50%高速化」と「最速で約6秒」はいずれもOpenAI自身の説明だ。6秒はFlareの低品質設定に対応した数字だとする報道があり、50%の比較基準や測定方法は公開されていない。

外部のデータはまだ少ない。第三者のまとめによると、Arenaの11月4日時点の暫定ランキングでは、テキストから画像でSunburstが1409点で2位、Flareが1384点で4位で、いずれもmedium設定だった。Artificial Analysisには当時、2.6の項目がなかった。これらの順位は数週間で変わる可能性があり、モデル選定では参考程度にとどめたい。

当方もネイティブGIFを試したかったが、手元のCodexの組み込み画像生成ツールはモデルや出力形式のパラメーターを公開しておらず、直接依頼しても得られたのは1フレームのPNGだけで、背後のモデルバージョンも確認できなかった。このページのローディングアニメーションは、結局6コマのスプライトシートで合成した。初版は軌跡が乱れたため描き直したが、円を描く軌跡にはなお軽いずれが残っている。

Illustration: a white paper plane circles as a loading animation, assembled from a six-frame AI sheet

製品にこの種の小さなアニメーションを入れるなら、APIのGIFパラメーターか手書きのCSSアニメーションのほうが、この方法より制御しやすい。スプライトの手法はコンテンツ用の挿絵には十分だが、UI素材としては精度がまだ足りない。

ケース別の選び方

  • 毎晩のバッチ画像生成:まず2.5にとどまり、Batchの半額を使う。
  • ベクターアイコンや短いループアニメーションが必要:この2点は2.6の新機能なので、これらのためだけに移行してもよい。
  • オンライン編集系の機能:SunburstやFlareに載せ替える前に、1週間分の1枚ごとの出力トークンを記録し、complexityとqualityを明示的に設定する。
  • チームのデザイナーや運用担当が使う場合:API側のスケジュールを待つ必要は必ずしもない。

最後のケースはよくある。エンジニアリング側はまだ比較検証中で組織認証も待っている一方、運用側は来週にはキャンペーン画像が必要になる。その間は、既存のワークスペースを先に使ってもらうこともできる。たとえばpixpix.com/gpt-image-2-6ではFlareとSunburstのどちらも選べ、ログインすればすぐ使え、参考画像やモデル設定もワークスペース内で扱える。課金はクレジット制で、実際の消費量はワークスペース内で確認する必要がある。モデルページには価格の記載がなく、GIFやSVGへの言及もない。そのため、解決できるのはまず静止画を使い始めるところまでで、製品への組み込みは結局APIを通すことになる。

運用側が先に実際の要望とプロンプトを出しておけば、エンジニアリング側が2.5と2.6を比較する際にそのままテストセットとして使え、20個のプロンプトをゼロから作るより実際のサービスに近いものになる。

参考資料:OpenAIのモデルページと画像生成ドキュメント、OpenAI開発者コミュニティ、CocoLoop、DEV Community、Kingy AI、Digit。コミュニティのトークン数は個人のサンプルで、費用は当サイトによる概算。