OpenAI、ChatGPTの検索量はGoogleの2割と主張

Consumer AI illustration: a person on a bench with chat bubbles around the phone

OpenAIでChatGPTの消費者向けプロダクトを統括するアダム・フライ(Adam Fry)氏は月曜日、メディア向けイベントで、ChatGPTが処理する検索クエリの量はすでにGoogleの20%に相当すると述べた。

同氏は「検索」の範囲にも線を引いた。ユーザーの入力をきっかけにウェブ検索が実行されたクエリだけを数え、単語の意味を調べる、簡単な操作手順を尋ねるといった用途は含めないという。分子の定義は示されたが、分母については示されていない。The Vergeは、Googleの検索量の数字をどこから得たのかをフライ氏が説明しなかったと特記している。Googleがこの比率に公に反応した形跡も確認できず、同じ基準で比較できる第三者のデータも今のところ出ていない。

Googleの公開数字で概算する

Googleが総量を最後に公表したのは2025年3月で、年間5兆回超の検索を処理しているとしていた。これを分母にすると1日あたり約137億回、その5分の1は約27億回となり、OpenAIの説明から逆算した規模感がこの数字だ。ただしGoogleの数字はすでに20カ月前のもので、その後に増えていれば27億回も上方修正が必要になる。OpenAIが別の第三者推計を使っているなら、計算し直しになる。

また、20%を「市場シェア20%」と同一視することもできない。フライ氏が語ったのは両社のクエリ量の比であり、市場にこの2社しかないと仮定した場合のChatGPTのシェアは約16.7%(20÷120)になる。ナデラ氏が2023年のGoogle反トラスト法裁判で述べたのは市場シェアで、当時のBingは約3%だった。2つの数字を並べると差は大きく見えるが、厳密には指標が異なる。

2年前と比べると差はいっそう際立つ。SparkToro創業者のランド・フィッシュキン(Rand Fishkin)氏は、SimilarWebとDatosのデータから、2024年10月時点でChatGPTが4.33%、Googleが83.54%と推計した。この時の算出方法は、プロンプト1回を検索1回と数える緩いものだったが、対象はウェブ版のトラフィックのみだった。現在のOpenAIの定義はそれより狭いにもかかわらず、数字は数倍に上がっている。データの出所が異なるため、この伸びはあくまで方向性の目安であり、成長率として使うことはできない。

検索ビジネスの両端

The Vergeによると、OpenAIの検索はMicrosoft Bingと自社インデックスに大きく依存している可能性が高く、一部のクエリはGoogleを経由しているとの憶測も以前からある。OpenAIはこの比率を公表したことがない。憶測が事実なら、ChatGPTの成長の一部は競合のインデックスに支えられていることになる。

プロダクトの面では、フライ氏は方向性を「Intelligent UI」と呼び、チャットの返答の中に視覚的でインタラクティブなインターフェースを生成することだと説明した。

「この技術の未来はそこにある。あなたはキャンバスに向かって話しかけているのだ」(原文:"That's where the future of this technology goes. You're talking to a canvas.")

Googleも近い路線を進んでいる。AI概要に加えて、グラフや可視化を含むパーソナライズされた結果を追加し、従来のサードパーティサイトへの遷移は引き続き減らしている。

この数字は誰に向けたものか

OpenAIは先月から、ChatGPT内でスポンサー商品の画像を表示し始めた。それまでは社名、ロゴ、リンクのみだった。報道によれば、IPOは来年初めになる可能性がある。フライ氏はイベントで「広告が製品や製品の利用に悪影響を与えてはいない(Ads have not negatively impacted the product or the usage of the product.)」と述べ、大半の人は製品内の広告を気にしていないようだとも語った。いずれの発言にも、継続率やクリックのデータは添えられていない。

タイミングで見れば、検索の規模は広告主も投資家も必ず尋ねる数字であり、製品責任者がメディア向けイベントで示すのも筋が通る。一方で、これには制約も伴う。欧州委員会は8月末にChatGPTを超大規模オンライン検索エンジンと認定しており、根拠の一つはウェブ検索を実行する点にある。当編集部の見立てでは、OpenAIが市場で検索規模を強調するほど、EUでは単なるチャットツールだと主張しにくくなる。今後この認定に異議を申し立てるなら、この20%をどう説明するかが注目点になる。

参考資料:The Verge、CocoLoop、Search Engine Roundtable。Googleの年間検索量は同社の公式発表に基づく。20%という比率はOpenAIの自己申告で、分母の出典は公表されていない。