8月25日、道路交通安全法の改正案が第14期全国人民代表大会常務委員会第24回会議に提出され、第1回目の審議にかけられた。改正案は全9章170条から成り、自動運転車のために独立した章を設けるのは今回が初めてとなる。
この新章の核心は3点だ。第一に、自動運転車と運転支援機能の概念上の境界を明確にし、自動運転車が公道を走行できる条件を定める。第二に、自動運転機能が作動している状態で道路交通安全に関する違法行為が発生した場合、当該車両の生産企業・輸入企業が対応にあたる。第三に、自動運転機能を作動させていない自動運転車、および運転支援機能のみを備えた車両が公道を走行する場合は、通常の非自動運転車と同様の規定で管理する。このほか、新章では違反処理の原則や保険制度についても触れている。
概念の線引きはどこにあるのか
先に概念を定義し、その上で機能の作動状態に応じて対応主体を割り振るという順序には意図がある。この2年ほど、「スマート運転」「高度スマート運転」「ナビゲーション運転支援」といった呼び方が販売現場では混同されて使われてきた。ひとたび事故が起きると、責任の判断は「運転者が引き継ぎ義務を果たしていたかどうか」という、後から検証しにくい問題に行き着くことが多かった。改正案の考え方は、判断の起点を運転者の主観的な状態から車両の客観的な状態へと移すものだ。機能が作動していたかどうかは、検証可能な事実だからである。
その分、代償も生じる。機能が作動していたか、何秒に解除されたか、解除前にどれだけの時間、引き継ぎの警告を出していたか——これらを明らかにできるのは車両側の記録だけであり、その記録は生産企業の手元にある。立証の重心が自動車メーカー側に傾く以上、データの保存基準やフォーマット、開示手続きこそが、この章が実際に機能するかどうかを左右する。改正案が現時点で公表している内容は原則レベルにとどまっており、具体的な規則は今後の関連法規を待つことになる。
さらに一歩さかのぼれば、これまでの数年間、規制の重心は市場参入や公道試験の許可にあり、「作ってよいか、公道で試験してよいか」という問題を扱ってきた。今回の改正案が扱うのは、公道走行後に事故が起きた場合の責任の所在だ。両者がつながることで、自動運転は製品参入をめぐる話題から、日常の道路管理をめぐる話題へと軸足を移すことになる。
そのほかの条項も厳格化
同じ改正案には、一般のドライバーにより身近な変更点もいくつか含まれている。ハンドヘルド端末での通話や動画視聴など、安全運転を妨げる行為が交通事故や重大な結果を招いた場合、200元以上500元以下の罰金を科し、あわせて3か月間の運転免許停止処分を科すことができる。道路を占拠して集団で歩く、いわゆる「暴走団」については、許可を得ずにいかなる団体・個人も交通以外の活動のために道路を占拠してはならないと規定した。自転車専用レーンを走る電動自転車の最高速度は時速15キロから20キロに引き上げられる一方、逆走、速度超過、信号無視、およびハンドヘルド端末での通話・動画視聴の禁止も明記された。
現行の道路交通安全法は2004年に施行され、2007年、2011年、2021年の3回にわたり改正されてきたが、いずれも部分的な修正にとどまっていた。全9章170条という分量は、今回が全面的な書き直しであることを示している。中国の立法プロセスに従えば、第1回目の審議の後、採決に進むまでには通常少なくとももう1回の審議が必要であり、条文はその過程でさらに調整され得る。
「機能作動中は自動車メーカーが対応する」という原則が最終的に維持された場合、短期的に最も直接的な影響を受けるのは2種類の主体だ。一つは、運転支援機能を自動運転であるかのように売り込んできたメーカーで、宣伝の言い回しを控えめにする必要が出てくる——法律上自動運転に分類されれば違反切符は企業に届くが、運転支援に分類されれば、常時人が監視する必要があることを認めざるを得なくなる。もう一つは保険会社だ。同じ車両でも時点によって責任主体が変わり得るため、運転者を基準に価格設定してきた自動車保険のモデルは見直しが必要になる一方、作動状態を基準に価格設定する商品にはまだ既成のひな型がない。改正案は保険制度に言及しているが、条文はまだ公表されておらず、今後の審議で最も意見が割れる部分になる可能性が高い。
参考資料:新華社、中国新聞社、CocoLoop、新浪財経;改正案の章・条数、自動運転章における責任主体の記述、電動自転車の速度制限の引き上げ幅、安全運転を妨げる行為への罰金額の範囲を確認した。