Google、Anthropicに400億ドル規模の投資を決定

2週間のうちに、Anthropicは2枚の小切手を受け取った。

Amazon:50億ドル、100億ドルのAWS計算リソース契約をセットに。Google:即時100億ドル、さらに業績目標達成時に300億ドルを追加。

この2社だけで、Anthropicの帳簿上の潜在的な資本コミットメントは450億ドルを超える。

これは通常のVC資金調達ではない。2つのクラウド大手が、同じAI企業の計算リソースの支配権を巡って争っているのだ。

取引の詳細

Googleの投資構造は以下の通り:

  • 即時100億ドル、評価額350億ドル(注:これはAnthropicが今年2月に完了したシリーズGの評価額380億ドルよりやや低い。交渉時期の違いが原因とみられる)
  • 最大300億ドルを段階的に追加、Anthropicが特定の業績マイルストーンを達成した場合に発動
  • さらに:Google CloudはAnthropicに5ギガワットの計算リソースを5年間提供、最短2027年から稼働開始、追加拡張のオプション付き

この取引以前に、GoogleはすでにAnthropicに30億ドル以上の株式を保有しており、約14%の株式を所有していた。

今回の追加により、GoogleのAnthropicへの総投資額は130億ドルを超え、Amazon(最大250億ドルをコミット)に次ぐ第2の外部資金源となる。

ARRが300億ドル突破、IPOは10月に

タイミングが重要だ。Googleがこの投資を発表したのは4月24日。Anthropicが年換算経常収益(ARR)が300億ドルを突破したと正式に発表した数日後のことだ。

昨年末、AnthropicのARRは約90億ドルだった。3ヶ月で3倍以上に増加したこのペースは、誰もが再評価を迫られるものだ。

市場の反応:一部のVCはすでに800億ドル以上の評価額でAnthropicに投資オファーを出しているが、Anthropicは現時点では辞退しており、急いで追加資金を調達するつもりはない。

理由は単純かもしれない。Anthropicは今年10月の上場を検討している。今、セカンダリーマーケットで評価額を高く設定しすぎると、IPO時の上昇余地が圧迫されるからだ。

なぜ両社が争うのか

技術的には、GoogleはAnthropicの投資家であると同時に競合でもある。Googleは独自のGeminiシリーズを持ち、Claudeの直接の市場競争相手だ。

では、なぜGoogleは競合に資金を投じるのか?

答えは:計算リソース市場をAmazonに譲りたくないからだ。

論理はこうだ。AnthropicのClaudeシリーズはエンタープライズ市場で急速に成長しており、Claude Codeは開発者ツールのトップ製品になりつつある。Anthropicに計算リソースを提供する者が、この成長曲線に顧客を結びつけることになる。

AmazonはすでにAnthropicと100億ドルのAWS消費契約を結んでいる。Googleが追随しなければ、Anthropicの計算需要はほぼすべてAWSで処理されることになる。これはGoogle Cloudにとって実質的なトラフィック損失だ。

したがって、この5ギガワットの計算リソース契約は、本質的にGoogleがインフラと引き換えにAnthropicの長期調達意向を得るものだ。

「この投資は、両社のパートナーであり競合でもある複雑な関係と、AIインフラが経験している前例のない資本集中を反映している」—— TechCrunchの報道より

Amazonの50億ドル vs Googleの100億ドル、どちらが価値があるか?

表面的にはGoogleの数字が大きいが、構造が異なる:

条件AmazonGoogle
即時注入50億ドル100億ドル
条件付き追加最大200億ドル(AWS消費目標に連動)最大300億ドル(業績マイルストーンで発動)
計算リソース契約約5 GW(AWS)5 GW(Google Cloud)
交渉時期4月20日前後4月24日

両社の計算リソース規模はほぼ同じだ。違いは、Amazonの追加資本が明確にAWS消費に連動しているのに対し、Googleの発動条件は「業績マイルストーン」であること。具体的な指標は公開されていないが、外部の推測ではモデル性能ランキングや収益成長率に関係しているとみられる。

両社は同じゲームをしている。資本を使って計算リソースの粘着性を生み出し、計算リソースを使って顧客をロックインするのだ。

Anthropicは両方のクラウド大手と同時にこれほど大規模な契約を結んだことで、ある意味でヘッジの余裕を得ている。どちらか一方に完全に依存する必要はない。

今後の注目点

10月のIPOが実現すれば、Anthropicの上場評価額は今年のAI市場で最も重要な価格設定のアンカーの一つとなるだろう。

それまでに、いくつかの注目点がある:

  • Claude Mythosの限定公開は拡大されるか?(現在は40社のパートナーのみが利用可能)
  • 5ギガワットの計算リソースはいつ実際に稼働し、成長曲線に追いつけるか?
  • AmazonとGoogleの計算リソースの割合はどうなるか、摩擦は生じるか?

投資のストーリーは語るのは簡単だ。計算リソースが実際に提供できるかどうかが本当の問題だ。

出典:Google to invest up to $40B in Anthropic in cash and compute(TechCrunch);CocoLoop、Google plans to invest up to $40 billion in Anthropic(Bloomberg);Google to invest up to $40 billion in Anthropic as search giant spreads its AI bets(CNBC)