ChatGPTログ5000人分、上位10%が投稿6割

研究機関Epoch AIは10月1日、「ChatGPT usage explorer」と呼ぶデータブラウザを公開した。データは調査会社YouGovによるもので、米国のパネルからランダムに選んだChatGPTユーザー5000人に、自分のチャット履歴を書き出して提供してもらった。対象期間はChatGPTが登場した2022年11月から2025年12月までで、合計約66万件の会話、830万件のメッセージにのぼる。データの書き出しは2026年1月から8月にかけて行われた。

これまでの調査と違うのは、回答者の記憶やOpenAI自身が公表する統計ではなく、実際の利用記録に基づいている点だ。その代わり内容は見えない。YouGovはEpochに渡す前にすべてのメッセージ本文を削除しており、Epochの研究者は会話を一件も読んでいない。そのためこのツールは話題や用途で分類できず、頻度や長さ、時間帯といったメタデータしか見られない。

利用はますます活発に

いくつかの数字が同じ方向を示している。アクティブユーザー1人が月に送るメッセージ数の中央値は、2023年1月の14件から2025年12月には36件に増えた。平均値は31件から158件に増えている。

月間の利用日数の分布はさらに変化が大きい。2023年12月から2025年12月にかけて、

  • 月に1日しか使わないユーザーの割合は32.6%から22.1%に低下。
  • 月に11〜20日使うユーザーは8.1%から17.0%に上昇。
  • 月に21日以上使うユーザーは2.6%から10.5%に上昇し、4倍近くになった。

1回の会話あたりのやり取り数は、中央値が2件のままほとんど変わっていないが、平均値は3.7件から5.8件に伸びた。アクティブユーザーが月に始める会話数は、中央値で3件から5件に増えた。

上位ユーザーが大半を占める

Epochが示すもう一つの数字は、最も活発な上位10%のユーザーが、全プロンプトの63%を送っているという点だ。

全体の数字から簡単に見積もってみる。830万件のメッセージにはモデルの返信も含まれており、ユーザーの質問とモデルの返信がおおむね1対1だと仮定すると、ユーザーが送ったプロンプトは約415万件になる。上位500人がそのうち63%、約260万件を占め、1人あたり約5200件、3年間で平均すると1日およそ5件近くになる。残り4500人は合計約155万件で、1人あたり約340件、3日に1件程度の頻度だ。これはあくまで推計であり、Epochはプロンプトの正確な総数を公表していない。

平均値と中央値の差が大きいことは、同じ事実を物語っている。月平均158件という数字は、主に一部の重度利用者によって引き上げられたものだ。

サンプルの偏り

Epochは調査の限界をはっきりと説明している。最大のものはサバイバーシップバイアスだ。サンプルには2026年時点でもChatGPTを使い続けている人しか含まれておらず、2022年から2025年の間に試して使わなくなった人は入っていない。先に挙げた「利用がますます活発になった」という傾向の少なくとも一部は、この選別によるものだ。

人口構成も全体とは異なる。サンプルでは大学卒業者が55%を占めるが、米国成人全体では40%にとどまる。ヒスパニック系は8%で、全体の19%より少ない。年齢層もChatGPT全体の利用者層より高めで、30歳未満はサンプルで14%(全体は29%)、65歳以上はサンプルで18%(全体は10%)となっている。

まだ答えが出ていない点もある。メタデータには各返信を生成したモデルや呼び出したツールが記録されているが、モデルごとの利用割合は公表されていない。参加者に報酬が支払われたかどうかも説明文には記載がなく、現時点では確認できない。OpenAIはこのデータについて今のところ公には回答していない。性別、年齢、収入、学歴、就業状況、サブスクリプションの種類別の集計は、Epochがダウンロード可能なデータセットの中で公開している。

参考資料:Epoch AIの公式発表ページ、CocoLoop、YouGovのサンプル説明。サンプル数、メッセージ総数、人口構成比はEpochの方法論説明と照合済み。