GitHub年次報告、PRの4割がエージェント起点に

AI coding illustration: a robotic arm fitting a red block into a structure

GitHubが2026年版の年次報告書「Octoverse」を公開した。集計期間は2025年10月1日から2026年9月30日まで。この1年に開発者がGitHubへプッシュしたコードは179億回で、2024年と2025年の合計を上回った。報告書で最も注目される数字は、9月時点でプルリクエスト(PR)の40%超がエージェントによって起票されているという点だ。

"As of September, developers start more than 40% of pull requests with an agent."

(9月時点で、開発者が起こすPRの40%超はエージェントから始まっている。)

半年で倍以上に

エージェントPRの比率は急速に伸びている。3月は17%だったが、9月には40%を超えた。件数で見ると、9月にエージェントが起票したPRは約1億1000万件で、3月の約6倍にあたる。

報告書はマージ率でも比較している。9月にエージェントが起票したPRは90%が2週間以内にマージされ、エージェントが関与しない比較群は約86%だった。2月時点ではエージェントPRのこの比率は83%だった。複数ファイルにまたがる変更を含むPRでは、エージェント起点が87%、人間起点が79%となっている。

GitHub自身のCopilotのデータも同じ方向を示している。月間アクティブユーザーのうちエージェント機能を使った割合は、1年前の35%から55%に上昇し、Copilotのクラウドエージェントは前年比230%増となった。9月にはCopilotユーザーの61%が複数のモデルを併用しており、4か月前の50%から増えた。有料ユーザーが実際に呼び出したモデルは5月の29種類から9月には47種類に増え、リクエスト比率が25%を超えたモデルはなかった。

全体の規模も大幅に拡大

基本指標はいずれも倍々で伸びた。年間コミット数は343億回で、2025年は約129億回。マージ済みPRは13億件で、1日平均約350万件にのぼり、2025年の5億3800万件から大きく増えた。GitHub Actionsは454億ジョブを実行し、1秒あたり1440件に相当する。Dependabotが自動マージしたPRは3000万件を超えた。

注意が必要なのは、今回から集計の定義が変わった点だ。従来の報告書は9月から翌年8月までを対象にし、公開リポジトリの活動だけを数えていた。今年からはプライベートリポジトリも含め、2024年と2025年のデータも新しい定義で再計算している。そのため、過去の報告書に載っていた元の数字とは一致せず、前年比は今回再計算された値で見る必要がある。

プログラミング言語ではTypeScriptが引き続き1位で、PythonとJavaScriptが続く。過去1年でTypeScriptの月間コントリビューターは362万人、Pythonは323万人増えた。Rustのコントリビューターは前年比で倍増した。AIが関わるマージ済みPRの割合は、TypeScriptが44.1%、Pythonが41.1%、Rustが40.4%で、最も低いJavaは21.2%だった。

中国の開発者数は3位

開発者の総数は2億2500万人を超えた。米国の3830万人とインドの3200万人が引き続き最大の2コミュニティで、両国とも1年で1000万人以上増えている。中国は1240万人で3位、その後にブラジルの1020万人、日本の715万人が続く。公開リポジトリへのプッシュ量でも、上位3か国は米国、インド、中国の順だった。

国別の集計は開発者が自分で入力した所在地に基づいており、GitHubは100人という公表のしきい値も設けている。中国では、主力のコードをGitee、自社運用のGitLab、社内ネットワークに置いているチームも多く、そうした活動はGitHubの統計に含まれない。1240万人という数字は、中国の開発者の総数というより「GitHub上で活動している中国の開発者」に近い。

中国のチームにとって、エージェントPRの比率はコードレビューへの直接的な負荷として表れる。報告書のマージ率からは、こうしたPRの多くが最終的に受け入れられていることがうかがえる。だがGitHubはエージェントPRのリバート率やリリース後の不具合率を公表しておらず、マージ率だけでは品質は判断できない。通義霊碼(Tongyi Lingma)、Trae、CodeBuddyなど中国の主要なコーディングアシスタントも、同じ基準のPRデータは公表しておらず、横並びの比較は今のところできない。

報告書が答えていないこと

40%という数字の定義は「エージェントが起票したPR」であり、その後に人間がどれだけ修正したか、最終的に何行のコードがモデル由来かは分解されていない。業界別の分類は、ランダムサンプルを言語モデルで分類したもので、GitHub自身も推計値と明記している。

参考資料:GitHub公式ブログ Octoverse 2026レポート、CocoLoop(プッシュ、コミット、マージ済みPR、Actionsジョブの総数、エージェントPRの比率、国別の開発者数を照合)。