Anthropicは投資家に対し、第2四半期に5億5900万ドルの営業利益を計上したと伝えた。創業以来初の四半期黒字となる。
売上高は第1四半期の48億ドルから第2四半期予想の109億ドルへと130%増加。コンピューティングコスト比率も改善し、売上1ドルあたりのコストは71セントから56セントに低下。この15セントの改善が利益の源泉だ。
初の黒字の意味
過去5年間、Anthropicは運営費ではなく計算資源に資金を投じてきた。Claude 1からOpus 4.7まで、新モデルごとにデータセンターとGPUクラスターが必要だった。第2四半期に営業利益を達成したことは、収益成長がコスト成長を上回る転換点に達したことを示す。
ただし「営業利益」に含まれるものと含まれないものを理解する必要がある:
- 含まれる:モデル訓練コスト(大部分)、推論計算、人件費、オフィス賃料
- 含まれない:株式報酬(AI企業では常に大きな項目)
- さらに含まれない:減価償却費、税金、将来の計算契約
つまり、5億5900万ドルは将来の請求書にまだ影響されていない数字だ。
4月の年換算売上高は300億ドルに
CEOのDario Amodei氏は、4月の年換算売上高(ARR)が300億ドルに達し、年内さらに上昇すると述べた。また、同社の計算リソース不足について次のように説明した:
「年間10倍成長の世界を想定して計画を立てたが、実際には80倍の成長を経験した。それが計算リソース不足の理由だ。」
| 指標 | 2026年第1四半期 | 2026年第2四半期(予想) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 48億ドル | 109億ドル | +130% |
| 計算コスト比率 | 71% | 56% | -15pp |
| 営業利益 | 損失 | 5億5900万ドル | 黒字転換 |
| 4月ARR | — | 300億ドル | — |
下半期の持続可能性
第2四半期の利益達成後、重要なのは「どれだけ稼げるか」ではなく「どれだけ稼ぎ続けられるか」だ。先週、SpaceXのIPO目論見書で、AnthropicがColossusクラスターのリースに月額12.5億ドルを支払い、2029年5月までの契約で総額450億ドルであることが明らかになった。さらにAWSとの10年1000億ドルの契約やGoogleとの新たな計算契約もあり、下半期以降、固定計算コストは増加する一方だ。
WSJの報道でも、投資家は第2四半期の利益予想を受け取ったが、第3四半期以降も継続するかについて同社は明確な見通しを示していないと指摘されている。
より率直な見方として、第2四半期の利益は、キャパシティ増強、受注の波、新たな計算請求が本格化する前のタイミングがうまく重なった結果であり、いわば「窓口期間」である可能性が高い。
IPOへの絶好の材料
Anthropicは10月頃にIPOを計画しており、評価額は9000億ドルと報じられている。第2四半期の営業利益は目論見書において、「稼げる」だけでなく「すでに稼いだ」ことを示す強力な材料となる。対照的に、OpenAIは9月にS-1を提出すると報じられ、評価額8520億ドルだが、収益化の時期は明確ではない。Anthropicは同業他社に先駆けて黒字化を達成したというストーリーを語れる。
OpenAIの投資家はここ数ヶ月、疑問を呈し始めている。3ヶ月前の「Anthropic売上高3倍増、OpenAI投資家が疑問視」というニュースがその兆候だ。第2四半期のデータにより、疑念のバランスはさらにAnthropic側に傾く可能性がある。
最後に
第2四半期の正式な決算発表は8月だ。109億ドルの売上高と5億5900万ドルの利益が確定すれば、同社は6年でAI研究所を真に収益を生むソフトウェア企業に変えたことになる。もし数字が達成されなければ——計算請求が早期に発生したり、中国製モデルによる推論価格の低下が起きたりすれば——今回の投資家向け予告は気まずい脚注となるだろう。
8月に会おう。
出典:Anthropic Set to Hit $10.9 Billion in Revenue in Q2(CNBC);Anthropic Targets First Profit as Revenue Hits $10.9B(WinBuzzer);CocoLoop;Anthropic Projects $10.9 Billion Q2 Revenue And First Ever Profit(Dataconomy)