Ant、Daimonの触覚ロボ脳に投資

ロボット投資の焦点が、全身から指先へ移っている。8 月 11 日、Daimon Robotics は数億元規模の戦略ラウンドを完了し、Ant Group が主導、既存株主も追加出資したと発表した。

QbitAI は、Ant がこれまでヒューマノイド、器用な手、身体性AI企業へ投資してきた流れの中で、触覚知覚層への初投資だと位置付けた。Beijing News は、Daimon が 2023 年に深圳で正式運営を始め、視触覚センサーを万台級で出荷し、200 社超の顧客、50 社超の海外顧客を持ち、OpenAI、Figure、BMW、Google DeepMind、NUS などへ納入したと報じた。

足りない層は接触だ

この話は資金調達だけでは終わらない。Daimon は最近、触覚を軸にした世界モデル Daimon-TWM を発表した。QbitAI はカーネギーメロン大学 Matthew T. Mason 教授の言葉を引用している。“The dexterity of a hand is mostly about the brain, not the hand.”

人間の言葉に直すと、視覚はガラス片を見つけられるが、滑り、布の巻き込み、力を入れすぎた時の破損は触覚が教える。Daimon の自社サイトは戦略を Devices、DaaS、Deployment の 3D と説明する。触覚ハードを出し、実環境の相互作用データを集め、モデルとロボット配備へ戻す流れだ。

10B級モデルと触覚データ

QbitAI によると、Daimon-TWM は物理認知、計画、即時制御の三層で構成される。10B級の規模で、NVIDIA RTX 5090 上でリアルタイム推論でき、高速制御層は 100Hz で動作を補正するという。接触密度の高いタスクでは、無外乱で pi0.5 比 2 倍、外乱ありで 10 倍の平均成功率向上をうたう。ただしこれは企業側の評価口径で、第三者の汎用ランキングではない。

データセットの方は検証しやすい。ModelScope の Daimon-Infinity ページは CC BY-NC-SA 4.0 ライセンスと 462 万超のダウンロードを示す。README は 1 万時間超の VTLA データ公開計画を掲げ、現行概要では最初の 1000 時間リリースと約 1209 時間の収集データに基づく統計を説明している。30 FPS 動画、Parquet、114 次元 observation.state、111 次元 action、触覚の deformation、shear、depth も明記されている。

“To drive the advancement of the entire embodied AI field, we have open-sourced 10,000 hours of the dataset for the broader community.”

狙いは基盤の入口

IEEE Spectrum の取材は別の支点を与える。Daimon の指先モジュールは 11 万超の有効センシング単位を詰め込む。センサー販売が出発点でも、戦略上の価値はそこから生まれるデータ入口にある。

RobOmni も同じ方向を向く。The Robot Report のスポンサー記事は、Daimon と Galbot が ICRA 2026 で RobOmni を発表し、NVIDIA Isaac Sim ベースで把持、配置、精密挿入、組み立てを扱い、触覚入力ありとなしの消融試験を可能にすると説明する。

この基準は外部採用を経て初めて中立的な標準に近づく。今後見るべき点は、Daimon-TWM の成功率向上が第三者タスクで再現されるか、RobOmni を外部チームが使うか、公開データが本体や場面をまたいで移る方策を育てるかだ。

情報源:QbitAI、Beijing News、Daimon Robotics 公式サイト、ModelScope Daimon-Infinity、CocoLoop、IEEE Spectrum、The Robot Report;資金調達規模、Ant 主導ラウンド、触覚領域での位置付け、万台級出荷、200 社超の顧客、50 社超の海外顧客、Daimon-TWM の 10B級モデル、100Hz 制御頻度、ModelScope ダウンロード数とデータセット項目を確認。