美団(Meituan)のLongCatチームは9月25日、自社API開放プラットフォームで「LongCat-2.5-Preview」を公開した。6月末にオープンソース化された「LongCat-2.0」の次世代モデルで、公式は「長時間タスク」と「マルチモーダル」の2語で位置付けを説明している。
その翼日、海外のオープンソース系コーディングツールOpenCodeが、このモデルを無料モデルとして2週間限定で提供すると発表した。データを保持しない「ゼロデータリテンション」であることも明記している。
パラメータ規模は据え置き、「目」が付いた
LongCat-2.5-Previewは引き続き混合エキスパート(MoE)方式を採用し、総パラメータ数は約1.6兆、推論1回あたりの活性化パラメータは約480億と、2.0と同規模を保っている。コンテキストはネイティブで100万トークンに対応し。1回の最大出力は128Kトークンとなる。
変化は主に2点に集約される。1つは画像理解機能の追加で、画像の内容を解析し、クロスモーダルな質問応答、内容の要約、視覚的推論をこなせるようになった。もの1つは「長時間フロー」タスクへの対応で、美団はターミナル、ブラウザ、デスクトップソフト、表計算ソフト、デザインツールといった場面を挙げており、1つのタスクの中で複数のインターフェースを連続して操作できるようにしている。
今回のアピールの中心はコーディング能力だ。美団はコード生成、コード理解、自動化されたプログラミングタスクで優れた成果を出しているとし、Claude Code、OpenCode、OpenClaw、Hermes、Kilo Codeといった主要なコーディングツールに対応する。APIはOpenAI形式とAnthropic形式の両方と互換性がある。
現時点で美団はベンチマークスコアを公表しておらず、GUI操作や長時間フロータスクで2.0からどれだけ進歩したのか、比較できるデータは外部にない。今回は「Preview」版であり、2.0のように重みをオープンソース化するかどうかも明言されていない。
中国の開発者にとっての意味
最も直接的なメリットは導入コストの低さだ。APIがAnthropic形式と互換性を持つため、Claude Codeに慎れた開発者はAPIアドレスとキーを変更するだけでバックエンドをLongCatに切り替えられ、ワークフローを作り直す必要がない。海外モデルの利用が不便なチームにとっては、既製の代替バックエンドが1つ増えることになる。
価格面では、美団は既存ユーザーに500万トークンの無料枠を配布した。正式な課金基準はまだ公表されておらず、Preview段階の価格が正式版でもそのまま維持されるかどうかは、今後の公式発表を待つ必要がある。
長いコンテキストと長時間フローの組み合わせは、コードベース規模の作業を想定したものだ。100万トークンあれば中規模プロジェクトの主要ソースコードをおおむね収められ、モデルが一度に読み込んでから修正に取り掛かれるため、分割して読み込ませる際のコンテキストのつなぎ合わせの手間が大きく減る。複数ステップの操作が脱線せず何ステップ続けられるかは、開発者が実際に使ってみないと分からない。
Owl Alphaから2.5へ
LongCatのこれまでの歩みには一定の傾向が見える。2.0がオープンソース化される前、コードネーム「Owl Alpha」としてOpenRouter上で匿名かつ無料で公開され、呼び出し量が一時プラットフォーム1位に達した後、正体が明かされてMITライセンスでオープンソース化された。美団は学習・推論とも国産チップクラスターで動かしていると説明している。
2.5-Previewも同じく「まず無料、価格はあとで」という選択をしている。自社プラットフォームでは試用枠を配布し、海外ツールでは2週間の無料期間を設けた。OpenCode上でのこの2週間の実際の利用量と開発者のフィードバックは、正式版の価格設定に少なからず影響を与えるとみられる。
参考資料:美団LongCat API開放プラットフォーム、ITHome、OpenCode公式アカウント、CocoLoop;総パラメータ約1.6兆、活性化パラメータ約480億、コンテキスト100万トークン、最大出力128K、試用枠500万トークンを検証。