DeepSeekの新規資金調達、800億元に迫る

DeepSeekが新たな資金調達を進めており、その規模は少なくとも800億元(約120億ドル)に達する見通しだ。事情に詳しい関係者の話としてブルームバーグが報じた。今回のラウンドは当初500億元程度を調達する計画だったが、最新モデルの発表後に投資家からの申し込みが集中し、すでに署名済みのタームシートに基づけば最終的な総額は1000億元に迫る可能性がある。出資額が最も大きいのはTencentと寧徳時代(CATL)の2社だ。

今回のラウンドの評価額は5000億元(約750億ドル)を下回らない。報道によると、資金調達完了後にDeepSeekは会社形態の見直しを計画しており、2027年初頭を目標とする上場に向けた準備だという。DeepSeek側はこの報道に対して公式な回答をしておらず、具体的な金額や評価額は現時点ではブルームバーグの情報に基づく。

4カ月前のラウンドを振り返る

DeepSeekが前回の資金調達を確定させたのは今年6月。創業以来初めて外部資本を受け入れたラウンドで、規模は約500億元だった。その内訳は特異で、創業者の梁文峰氏自身が約200億元を出資し、Tencentが約100億元、CATLが約50億元を出資、京東(JD.com)、網易(NetEase)、国家系ファンドも名を連ねた。商業投資家からの資金は梁氏が管理する有限責任組合(LP)に投じられ、5年間ロックアップされ、投票権は付与されない仕組みだった。

当時のラウンドに対応する評価額は、報道によって520億ドルから590億ドルの間で幅があった。

9月にはDeepSeekがすでに中信証券を上場コンサルタントに起用し、上海科創板への上場準備を進めていることが分かっていたが、上場時期や評価額、発行規模は当時未定とされていた。今回のブルームバーグの報道で初めて時期の目安が示され、2027年初頭という時間軸が明らかになった。

資金の規模をざっくり計算する

2回のラウンドを並べると、数字の変化は一目で分かる。

6月のラウンド今回(報道ベース)
調達規模約500億元少なくとも800億元、1000億元に迫る可能性
評価額約520億~590億ドル750億ドルを下回らない
主な出資者梁文峰氏、Tencent、CATLTencent、CATL

単純計算すると、4カ月で評価額は約27%から44%上昇したことになる。前回ラウンドのどの評価額を基準にするかによって幅がある。今回が最終的に1000億元で成立すれば、DeepSeekが今年2回のラウンドで調達した総額は約1500億元に達する計算だ。

この資金の使途について、報道は一つの方向性を示している。DeepSeekは内モンゴルに大型データセンターを建設中で、少なくとも16万個の国産高性能AIアクセラレーターを導入する計画があり、今回の資金の一部がこのプロジェクトに充てられる。アクセラレーター1個あたりの調達価格やデータセンター全体の投資額は報道では明らかにされておらず、800億元のうちどれだけがこのプロジェクトに投じられるのかは現時点では確認できない。

収益面で比較できる数字は限られる。8月の報道でDeepSeekの今年最初の7カ月間の収益は4億7500万元、損失は7億1500万元に拡大したことが明らかになっている。年間収益がまだ億元規模にとどまる企業が5000億元の評価額で資金調達していることになり、この数字を見る限り、投資家が賭けているのはモデルの性能と上場への期待であり、現在の収益がその評価額を支えているわけではない。

投資家が強気になる理由

報道は申し込みの集中について、最近リリースされたV4-Flashモデルが要因だとしている。DeepSeekのV4シリーズは今年4月に公開され、公開からわずか3日後にV4-ProのAPI価格を75%引き下げた。その後も低価格戦略とオープンウェイトの公開によってユーザーを獲得する路線を継続しており、Flash版も同じ戦略を引き継いでいる。

Tencentは前回のラウンドでも創業者を除けば最大の商業投資家であり、今回も引き続き主導的な立場にある。電池メーカーのCATLは2回連続で大規模な出資を続けているが、具体的な理由について報道は説明していない。前回あったロックアップ期間や投票権に関する取り決めが今回も継続されるかどうかについても、ブルームバーグの報道では触れられていない。

参考資料:ブルームバーグ、CocoLoop、IT之家、The Next Web。今回の調達額、当初目標、評価額、上場時期の見通しはブルームバーグの関係者情報に基づき、前回ラウンドの出資構成は過去の公開報道を参照した。