AI 3D生成企業のMeshyは、年間経常収益(ARR)が1億ドルを超えたと発表した。同社によれば、この数字は2年足らず前にはわずか100万ドルで、約100倍の成長となる。Meshyはこの一線を越えた最初のAI 3D企業だとも自称している。
Meshyがやっていることはシンプルだ。ユーザーが文章や画像を入力すると、1分程度でテクスチャ付きの3Dモデルが生成され、そのままゲームエンジンに読み込んだり、3Dプリントに回したりできる。創業者はEthan Hu(胡渊鳴)氏で、本社は米シリコンバレー。2023年に一般向けの生成3D製品を初めて投入した。
ユーザーと収益の出どころ
同社が開示したデータによると、登録ユーザーは1500万人超、企業・教育機関の顧客は3000社超で、このうちフォーチュン・グローバル500企業のチームが200社含まれる。世界の時価総額トップ10企業のうち半数がMeshyのツールを使っているという。プラットフォーム全体で累計生成された3Dモデルは1億個を超える。
資金面では、Meshyは今年7月に約4億ドルのシリーズBを完了し、評価額は15億ドルに達した。同社はこれをAI 3D分野でこれまでで最大の資金調達ラウンドだとしている。成長担当バイスプレジデントのFaye Pan氏は発表の中で次のように述べた。
"Surpassing $100 million in ARR in under two years reflects the growing demand for AI-powered 3D creation."
なお、ARRは企業側が自己申告する指標で、一般的にはその月の経常収益を12倍した推計値であり、監査済みの年間売上高ではない。Meshyは有料ユーザー数を公表しておらず、企業向けと個人向けサブスクリプションの比率も明らかにしていない。
9月に相次いだ新製品
収益発表の前後、Meshyは9月に複数の新機能を投入した。「Meshy 7.1」はジオメトリ生成の解像度を2048³から4096³に引き上げ、同社はこれを「Ultra 4K」と呼ぶ。モバイルアプリもiOSとAndroidで同時にリリースされ、写真やスケッチ、テキストから印刷可能なテクスチャ付き3Dアセットを生成できる。AR表示での確認や印刷可否のチェックに対応し、STL、GLB、FBX、OBJ、USDZ、3MFなどの形式で書き出せる。
プリント面では、Meshyはすでに Prusa、Creality、Elegoo、Flashforge、xToolといったプリンターブランドと連携している。ゲーム面では、複雑なキャラクターアセットの制作時間を30〜40%短縮できるとし、自社のAIネイティブゲーム「Black Box: Infinite Arsenal」を年末のSteam Next Festに出展する計画だという。また、リアルタイムで対話的な世界生成を目指す研究プロジェクト「Mora」も進めている。
汎用の基盤モデルもこの領域に進出し始めている。GPT-6 AstraはBlenderのモデリングを直接操作できる。量子位(QbitAI)による比較テストでは、壁や階段といったジオメトリ・パラメトリックなタスクでは良好な結果を示したが、キャラクターの毛髪や顔のディテールになると専用モデルの方が優れているという。
中国企業にとっての意味
この分野は中国企業にとっても馴染みがある。当媒体はこれまでに、3D基盤モデルを手がけるVASTが資金調達ラウンド後にAIユニコーンになったこと、Tencent Hunyuanなど大手も独自の3D生成モデルを持っていることを報じてきた。Meshyが連携しているプリンターブランドのうち、Creality、Flashforge、Elegooはいずれも深センのメーカーであり、消費者向け3Dプリントのハードウェア供給網はもともと中国に集中している。
中国のゲーム会社やプリンターメーカーにとって、Meshyのこうした数字は一つの参照点になる。海外市場は「テキストをモデルに変換する」サービスにサブスクリプション料金を支払う意思があり、その規模は数億ドルに達する。中国国内の同業他社の収益は公開されていないケースが多く、同様の課金意欲の曲線を描けるかどうかは、比較できるデータがなく不明だ。Meshyのアプリが中国国内のアプリストアでダウンロードできるか、中国語サービスを提供するかについては、同社の発表では触れられていない。
参考資料:Meshy公式プレスリリース、Unite.AI、CocoLoop、量子位(QbitAI)。プレスリリースの内容はARR、ユーザー数、シリーズBの金額と評価額について確認済み。