グーグル、文章だけでゲーム作成の「Playground」公開

グーグルは10月7日、実験的なゲームプラットフォーム「Playground」を公開した。アクセス先はplayground.google。ユーザーがブラウザ上で遊びたいゲームの内容を文章で説明すると、プラットフォームがそのまま遊べるバージョンを生成する。その後もコードを書かずに、文章でルールや画面を変更していける。グーグルが掲げるキャッチコピーは次のとおりだ。

"If you can think it, you can play it."

(思いつけるなら、遊べる。)

同日、Unityはグーグルとの戦略的提携を発表した。両社はPlaygroundを土台に、より本格的なツールUnity Sparkを開発し、年内の投入を目指す。この発表を受けてUnity株は上昇し、取引時間中に19.45ドルを付けた。

Playgroundでできること

グーグルの公式ブログによると、Playgroundで作られたゲームはブラウザ上で動作し、スマートフォンでもパソコンでも遊べる。完成した作品はリンクで共有できるほか、コミュニティギャラリーに公開して他のプレイヤーから評価を受けることもできる。プラットフォームはマルチプレイヤーやゲーム内リーダーボードに対応し、Play Gamesのプロフィールとも連携する。

基盤にはグーグルの既存モデルが使われている。ゲームメディアの報道によると、Gemini、画像モデルのNano Banana、音楽モデルのLyriaなどが含まれるという。生成されたコンテンツはすべて、コミュニティガイドラインに基づく安全審査を受ける。

利用には3つの制限がある。米国限定であること、18歳以上であること、作成権限がGoogle AIのサブスクリプション段階に応じて割り当てられることだ。無料ユーザーがどこまで利用できるのか、各プランでどれだけ上限が異なるのか、具体的な数値は公式ブログに記載されていない。

Unity Spark:本格的な作り手のための層

Playgroundが生み出すのは簡単な小規模ゲームであり、Unity Sparkが補うのは「本格的に作り込む」という層だ。グーグルによれば、Sparkは本格的なゲームプレイの仕組み、高精細な3D表現力、Unityランタイムの柔軟性をもたらすという。現在はテスト段階で、クローズドベータが近く始まる予定であり、Playground上にはすでにいくつかのデモゲームが公開されている。

Sparkで作ったゲームはPlaygroundに公開できるほか、Unity Asset Storeと直接連携する。Unityの最高経営責任者(CEO)、マット・ブロンバーグ氏は次のように述べた。

"Unity Spark connects directly to the Unity Asset Store, so you can build with thousands of high-quality, artist-created assets made by our community."

(Unity SparkはUnity Asset Storeと直接つながっているため、コミュニティのアーティストが制作した何千もの高品質なアセットを使ってゲームを作れる。)

この発言の背景には、Unity自身が置かれている状況がある。グーグルが以前、世界モデル「Genie」の成果を発表した際、「AIが遊べる世界を直接生成すればゲームエンジンを迂回できるのではないか」という懸念が市場に広がり、Unity株は一時2割ほど下落した。今回のブロンバーグ氏の答えは「AIはソフトウェアを置き換えるのではなく、ソフトウェアを使う」というもので、目指すのは独自性のある体験を作ることであり、AIに「既存のゲームを繰り返させる」ことではないと強調した。

今回の提携の構造から見ると、Unityはグーグルのモデルの下流に自らを位置づけることを選んでいる。モデルが理解と生成を担い、エンジンが実行を担い、アセットライブラリが仕上がりの質を担う。この分業が成立する前提は、生成型ゲームのプレイヤーが画面や操作感にこだわり、より良いアセットに対価を払う意思があることだ。

中国国内の開発者への影響は限定的

短期的には、中国のユーザーがPlaygroundを直接利用できる可能性は小さい。米国限定、18歳という年齢制限、Google AIのサブスクリプションという3つの条件が、中国語圏のユーザーの大半を事実上締め出している。Unity Sparkについても、どの地域で提供されるかはまだ公表されていない。

もう一つの隔たりは、Unity自身の組織構造から来ている。Unityの中国本土での事業は合弁会社が運営しており、現地向けにローカライズしたエンジン「团结引擎(Tuanjie Engine)」を提供している。これは国際版のサービスやアセット流通とは完全には連携していない。Sparkのようにグーグルのモデルと深く結びついたツールが中国版に組み込まれるかどうかについて、両社とも見解を示していない。

中国国内のゲーム開発チームがこの件から読み取れるのは、方向性を示すシグナルの意味合いが大きい。エンジンメーカーがアセットストアをAI時代の防壁として運営し始めているということだ。Asset Storeでアセットを販売しているインディーズのアーティストや小規模スタジオにとって、Sparkが開放されれば利用される経路が一つ増える可能性があるが、収益分配のルールはUnityの発表を待つ必要がある。

参考資料:Google公式ブログ、Unity投資家向け広報、CocoLoop、Video Games Chronicle、Game World Observer。提供地域、年齢制限、Sparkの投入時期はグーグルとUnityの公式発表に基づき確認した。