RunwayのAleph 2がPremiereに統合

Runwayは9月8日、Premiere ProとAfter Effects向けのプラグインを公開した。編集者は両ソフト内から直接同社のモデルを呼び出せるようになる。これまではクリップを書き出してRunwayにアップロードし、生成、ダウンロードしてからタイムラインに戻すという手順が必要だったが、プラグインはその中間工程を省く。

パネルでできる5つのこと

画像・動画の生成、素材のスタイル変更、アップスケール、HDR変換、背景除去——これが公式ページに挙げられている機能だ。スタイル変更はEdit Studio経由で行われ、1カ所を変更するとAleph 2がその効果を素材全体に反映する。結果を保存し直して読み込む必要はなく、現在のコンポやシーケンスにそのまま反映される。

“Generate images and video, restyle the footage on your timeline and place every result directly into your comp or sequence.”

公式ページにはもう一つ、After EffectsやPremiere内でプロンプトを書き、生成結果がフィードに表示されるのを見ながらクリックひとつで配置する、という説明もある。

アカウント周りは新たな仕組みを別途用意しているわけではない。プラグイン内で既存のRunwayアカウントにログインし、生成には契約している有料プランのクレジットが使われる。複数チームを管理するユーザーはパネル内で切り替えられる。プラグイン自体はmacOSとWindowsで無料ダウンロードでき、生成機能はすべての有料プランで利用できる。

Fireflyの一選択肢から、自前のパネルへ

Aleph 2.0は今年5月21日にリリースされ、同時にEdit Studioという製品が投入された。位置付けは文脈を踏まえた動画編集だ。1フレームを編集すると、モデルは残りの映像をそのフレームに合わせて調整し、変更を求められていない部分はそのまま保つ。より長いクリップや複数カットのシーケンスにも対応する。製品の色を変える、背景を差し替える、物体を消す、スタイルを変える、1本の広告を季節ごとのバージョンに作り替える、といった使い方が典型例だ。

RunwayのモデルがAdobeの製品ラインに入るのは今回が初めてではない。FireflyのPrompt to Edit機能はすでにRunwayのAlephと接続されており、Fireflyのモデル一覧にはKling 3.0、Veo 3.1、Runway Gen-4.5も並んでいる。違いは位置付けだ。Firefly内ではRunwayは一覧の一項目であり、見せ方を決めるのはAdobe側だ。今回のプラグインはRunway自身が公開したもので、編集者が毎日開いているソフトの中に組み込まれる。ログイン画面もクレジットもRunwayのものだ。

製品の形として見れば、接点をブラウザ上のエディタからデスクトップのタイムラインへ移したことになる。プロフェッショナルな編集作業——プロジェクトファイル、プロキシ素材、カラーグレーディングの工程——はPremiereとAfter Effectsの中にとどまる。この2つのソフトのパネルに入り込めるかどうかが、あるモデルがたまに開く外部ツールとして扱われるか、毎日開いているウィンドウとして扱われるかを大きく左右する。

公式ページに書かれていないこと

今回の発表では触れられていない点もいくつかある。生成タスクのキューイングや同時実行のルール、1回の生成にかかる時間の上限、素材をクラウドにアップロードした後の企業顧客向けコンプライアンス方針、そして旧バージョンのPremiereやAfter Effectsへの対応範囲だ。クレジットが解像度や長さに応じてどう消費されるかについても、ページには「プラン内のクレジットを使用する」としか書かれていない。

Runwayの次の公開イベントは9月30日、サンフランシスコで開かれるAIサミットに定められている。プラグインの機能一覧はすでに公開された。編集者がすでに動いている手作業のワークフローを置き換える気になるかどうかは、実際に使われてみないと分からない。

参考資料:Runway公式発表ページ、Adobe Firefly製品説明、CocoLoop。プラグインの機能一覧、ダウンロード範囲、クレジットの扱いはRunway公式ページの内容を基準とする。