OpenAIは9月8日、ChatGPT Images 2.5を公開すると同時に、APIにも2つの新モデルを投入した。同社はこのバージョンを現時点で最高の画像モデルと位置付けており、改善点は3つに集約される。複数回にわたる編集でも指示に沿いやすくなったこと、参照写真に写る人物や物体の崩れが起きにくくなったこと、そして生成速度の向上だ。レイテンシはImages 2.0と比べて最大50%短縮されたという。
提供範囲はChatGPT、ChatGPT Work、Codexの全プランで、デスクトップ・モバイル・ウェブに同時展開される。
SunburstとFlare
API側の2つのモデルIDはgpt-image-2.5-sunburstとgpt-image-2.5-flare。OpenAIが示す使い分けの指針は一つだけで、編集精度が重要なワークフローにはSunburstを、日常的な高速生成にはFlareを使うようにというものだ。先行して検証した顧客の報告では、FlareはGPT-Image-2と比べて2〜4倍速いという。
この分割は画像モデルとしては珍しい。これまでは1世代につき1モデルが基本で、速度と精度の差は解像度やサンプリングステップ数で調整するものだった。それを2つのIDとして固定したということは、この2種類の需要がすでに大きくなりすぎて、1セットの重みを共用するより分けた方が合理的だと認めたに等しい。
コストを計算する
価格は枚数ではなくトークン単位で決まる。画像入力は100万トークンあたり8ドル、キャッシュヒット時は2ドル。画像出力は100万トークンあたり30ドル。テキスト入力は100万トークンあたり5ドルで、キャッシュ時は1.25ドルとなる。
利用者側から見た実際の帰結は、コストが解像度や画像の複雑さに応じて変動し、1枚いくらという固定額にはならないということだ。ざっと試算すると、1024×1024の出力画像は一般的な換算で数千トークン程度になり、100万トークンあたり30ドルという単価に当てはめると1枚のコストは数セント程度で、この部分はさほど高くない。請求額を押し上げるのは編集の回数だ。複数回の編集では前の回で生成した画像を入力として再び読み込ませる必要があり、100万トークンあたり8ドルの入力コストが回数分積み重なっていく。2ドルというキャッシュ料金はまさにこの場面を想定したもので、同じ元画像を繰り返し修正する場合、2回目以降の入力はキャッシュにヒットするはずだ。
つまりこの価格設定は、2種類の使い方を分けて扱っている。1回の生成で完結する大量出力はコストを見積もりやすい一方、モデルを画像エディタとして使い、1枚の画像を十数回修正するようなワークフローでは、費用の大半が入力側で膨らみ、生成した画像の枚数とはあまり関係しなくなる。
手描きで指示する
製品側の新機能もいくつか加わった。Sketchは@Sketchと入力することでChatGPT内で直接手描きができ、描いたものが参照として使われる。Templatesはポスターやグッズ、商品写真といった定番のフォーマットに雛形を提供する。生成した画像には直接注釈を書き込んでピンポイントで修正できる。プロンプトは共有できるようになり、他のユーザーが自分の写真に差し替えて再実行できる。
これらの機能はすべて同じ方向を指している。「説明する→生成する→やり直す」というやり方を、「生成する→指して直す」というやり方に変えることだ。手描きも注釈も、位置の情報をモデルに渡す手段であり、位置こそテキストのプロンプトでは最も説明しにくい要素だ。ある要素を左に2センチ動かしたい、ある場所の光を少し落としたいといった指示は、文章で書こうとすると何行にもなるが、一本の線を引く、あるいは一箇所をタップするだけで伝わる。
プロンプト共有はまた別の話だ。プロンプトを個人の資産から、他人が自分の素材に差し替えて再利用できるテンプレートに変える仕組みだ。この機能自体は画像コミュニティにすでに前例があり、各種プロンプトサイトやモデルコミュニティが以前からやってきたことだが、今回はプラットフォーム自体が標準機能として組み込んだ点が違い、サードパーティのサイトを介する必要がなくなった。
計算が合わない数字
公式発表には30億枚という規模を示す数字が登場する。対象はChatGPT ImagesとAPI上のGPT-Image系列の両方だ。この数字については伝え方が一致しておらず、ある記事は累計、別の記事は週間としており、2桁分の開きがある。公式ページは現時点で逐語的に確認できないため、この数字は今のところ「規模が大きい」という程度にしか読めず、何らかの推計に使うのは適切ではない。
前世代のImages 2.0が解決したのはテキストのレンダリングで、代表例はメニューやポスターの文字がようやくまともに読めるようになったことだった。今回の世代が取り組むのは編集の工程で、代表的な能力は10回修正しても同じ人物だと分かることだ。両世代に共通するのは、勝負の焦点が「描けるかどうか」ではなく、「描いた後に直せるかどうか」に移っている点だ。
参考資料:OpenAI公式発表、CocoLoop、Simon Willison氏のブログ、Unite.AI、9to5Mac。モデルID、価格、レイテンシの数値は公式発表およびその報道に基づく。1枚あたりのコストは公開されている価格表に基づく概算。