OpenAIの成長未達で半導体株が下落

月曜の終値で、AI関連の大型株がそろって売られた。Nvidiaは3%安で216.61ドルから213.48ドルへ、AMDは4%安で11.02ドル下げ323.61ドルへ、Oracleも4%安で172.96ドルから165.96ドルへ下落した。

きっかけは、この3社自身の不祥事や業績悪化ではない。OpenAIの成長シナリオにほころびが見えたことだった。

数字は10億ではなく9億

OpenAIの社内目標は明確だった。2025年末までにChatGPTのユーザー数を10億人へ伸ばすというものだ。実際に出てきた数字は、週次アクティブ9億人、課金サブスクライバー5000万人だった。

9億人は巨大な規模だが、OpenAI自身の目標を基準にすれば上振れではなく未達だ。より重いのは、CFOのSarah Friarが以前に口にした懸念だ。売上が十分な速度で伸びなければ、将来の計算資源契約を支払えなくなる可能性がある、という趣旨だった。

当時は慎重な広報メッセージのようにも聞こえた。しかしユーザー成長が想定を下回り、有料転換も跳ねていない今、2025年に結んだ計算資源契約の重さが改めて見えてくる。Nvidiaとは5000億ドルOracleとは3000億ドルAMDとは2700億ドル。合計は1兆700億ドルに達する一方、OpenAIの年商はまだ数百億ドル規模だ。

市場は月曜、その尾部リスクを先に織り込んだ。OpenAIが支払えないかもしれないなら、半導体サプライヤーの評価プレミアムは削られる。

問われているのはAI資本支出の天井

怖いのは、これはOpenAI一社の話にとどまらない点だ。Nvidia、AMD、Oracleの過去2年のバリュエーションは、最先端モデル企業が無限に計算資源を買い続けるという前提の上にあった。OpenAIはその前提の中で最大の買い手だ。そこに成長鈍化が見えれば、上流の計算インフラ需要は引き直しになる。

Friarの論理が敏感なのは、計算資源契約が先に締結され、支払いは将来のキャッシュフローに依存するためだ。OpenAIは現在の計算能力を得るために、将来収入を担保にしている。担保がサブプライム住宅ローンではなくGPUクラスターに変わっただけで、2008年以前のCDO構造を少し連想させる。

もしOpenAIが本当に支払えなくなれば、Nvidiaのバックログは以前ほど硬く見えなくなり、Oracleのクラウド契約収入は再評価を迫られ、AMDのMIシリーズ注文は延期または取り消しのリスクを抱える。

それでも売りは行き過ぎかもしれない

Motley FoolのDanny Venaは、今回の下落は「行き過ぎ」だと見る。実際の決算を見ると、その見方にも根拠はある。

企業前年同期比売上成長率
Nvidia+73%
AMD+34%
Oracle+22%

この成長率で3〜4%売られるのは、かなりセンチメント主導だ。OpenAIの成長が鈍っても、資金が消えるわけではない。Google Geminiの月間アクティブは7.5億人Microsoft Copilotは1.5億ユーザーに達している。Geminiの利用が増えればTPUを消費し、TPUが足りなければNvidiaのGPUがつなぎになる。

ただ、市場の論理とファンダメンタルズの論理は常に同じ速度で動かない。感情で価格が付く局面は、合理的な説明より長く続くことがある。

次に見るべき数字

第4四半期IPOの筋書きはまだ残っている。そこでOpenAIの財務データが再び期待未達となれば、8520億ドルという想定評価額は市場から厳しく見直される。

Sam Altmanにはまだ手札がある。GPT-5.5は数週間前に出たばかりで、企業向けChatGPT、Workspace Agents、Codexは収益の穴を埋める製品群だ。法人ARPUは消費者向けの何十倍にもなり得るため、500万の法人有料ユーザーは1億の無料個人ユーザーより財務上重いかもしれない。

次の四半期に市場が見るのは、法人有料席数とCodex/Agentsの売上比率だ。ここが支えられれば、Friarの懸念はまだ懸念にとどまる。支えられなければ、2025年に結んだ1兆700億ドルの計算資源契約が評価額を押しつぶす重石になる。

6カ月以内に答えは見える。

参考資料:CocoLoop、Nvidia, AMD, and Other AI Chip Stocks Are Swooning. Blame OpenAI.(The Motley Fool)