DeepSeekは9月10日、DeepSeek-V4.1-Flashを正式にリリースした。API上のモデル名はdeepseek-flashで、同日正午12時にFlashシリーズの料金体系も新しい水準に切り替わった。2日前に公開されていた内部テスト版のIDdeepseek-v4.1-flash-expires-on-0910は、名前に書き込まれた日付どおりに失効した。
公式はこのバージョンを「新しいモデル構造シリーズの中で最小サイズのモデル」と位置付けており、ネイティブなマルチモーダル視覚理解能力を備える。旧モデル名deepseek-v4-flashとdeepseek-v4-flash-vision-expはすぐには消えず、一時的にV4.1 Flashへ転送される形になっており、呼び出し側はコードを変更しなくても新版を使える。
新料金表の中身
公式の料金ページによると、deepseek-flashのコンテキスト長は100万トークン、最大出力は38.4万トークン。オフピーク時の100万トークンあたりの価格は3段階で、入力キャッシュヒットが0.02元、キャッシュミスが1元、出力が4元。ピーク時間帯はすべて倍額になり、0.04元、2元、8元となる。
ピーク時間帯の区切り方は、DeepSeekが7月から採用している方式を踏襲している。北京時間の月曜〜金曜9:00〜12:00と14:00〜18:00、合計7時間で、それ以外はオフピーク扱いとなる。この区切りは中国国内の勤務時間に合わせているため、時差のある地域から利用する場合の実質平均単価は、中国国内のチームより低くなる。
DeepSeekはこの変更を「値下げ」と呼んでいる。公開されている報道によれば、8月のピーク・オフピーク料金調整後、Flashのオフピーク時キャッシュヒット単価は一時0.05元まで上がったことがあるという。ただし公式料金ページには現在有効な価格しか表示されず、過去の水準は保持されていないため、この数字を公式ページから直接確認することはできない。確認できるのは現在の一連の数字と、それに伴うもう一つの変更だけだ。
「Pro」という名前に、今は対応するモデルがない
9月14日12時以降、deepseek-v4-pro宛てのリクエストはすべてV4.1 Flashへ丸ごと転送され、Flashの料金で課金される。料金ページ上ではdeepseek-v4-proは依然としてDeepSeek-V4-Pro-0813を指しており、オフピーク時の3つの数字は0.15元、4.5元、13.5元、ピーク時は0.30元、9元、27元となっている。
2つの数字を並べると、同じモデル名でありながら、出力側は13.5元から4元に、キャッシュミス時の入力は4.5元から1元に下がる。deepseek-v4-proを設定に固定で書き込んでいたチームにとっては、月曜以降は請求額が自動的に下がる一方で、実際に動いているモデルは別物に変わっている。
公式発表で触れられていないのは、V4.1 Proの発表時期だ。転送ルールの文言は「V4.1 Proが公開されるまで」となっており、順序は示しているが日付は示していない。つまりProという系列は現在空白の状態にある――旧Proはリクエストの受付を停止し、新Proはまだ公開の見込みが示されておらず、その間をFlashサイズのモデルが肩代わりしている。この空白がどれだけ続くかは、現時点では確認できない。
構造とベンチマーク
モデル構造の詳細は公式発表に基づく。総パラメータは552B、Causal-Encoder-Decoder構造を採用し、入力・出力のアクティブパラメータはそれぞれ8B、16Bとなっている。552Bという総パラメータに対してこの比率は非常に低く、これがFlash階層に位置づけられる前提となっている。
公式ドキュメントが示す評価結果では、GPQA Diamondが90.9、HLEが36.8、Codeforcesレーティングが3471、MathArena Apexが65.6。これらの数値はこれまでProクラスの成績帯だったが、それが最小サイズのモデルに現れている――製品構成の観点から見ると、これが同社がProのトラフィックをそのまま転送する決断をした理由を説明している。
Flash系列のここ数ヶ月の動きをつなげる
7月中旬にV4正式版がリリースされ、ピーク・オフピークの時間帯別課金も同時に始まり、Flashシリーズにオフピーク価格とピーク価格という2段階の体系ができた。8月13日前後には一度料金調整があった。9月8日夜には、有効期限48時間未満・1アカウントあたり同時実行20件までという中間バージョンが内部テスト向けに公開され、モデル名にそのまま失効日が書き込まれていた。9月10日、正式版と新料金が同時に投入され、Proの転送変更は4日後に設定された。
2ヶ月で5回の動き――このラインがこれまで経験したどの期間よりも密なペースだ。新しい構造が実運用の負荷の下でProのトラフィックを支えきれるかどうかは、月曜以降、呼び出す側が先に答えを出すことになる。
参考資料:DeepSeek APIドキュメント更新履歴、CocoLoop、DeepSeekモデル・料金ページ(deepseek-flashとdeepseek-v4-proの各段階の単価、コンテキスト長、ピーク時間帯の定義を料金ページで確認)。