今回のAIは配列予測で止まらなかった。研究チームはモデルが提案したDNAを合成し、実験系に入れ、E. coliに感染して複製する16種のバクテリオファージを得た。
成果は8月6日にScienceへ掲載され、Stanfordも同日に発表した。対象は人間の病原体ではなく、よく研究された細菌ウイルスである。それでも、完全ゲノム設計が実験で機能した意味は大きい。
約300設計から16件
土台は5,386塩基、11遺伝子を持つPhiX174。Evo 2は200万件超のファージゲノムで訓練され、14,466件のMicroviridae配列で微調整された。
チームは多数の出力を評価し、約300のゲノムを合成して試験した。機能した16件は、最も近い天然ゲノムと比べ67から392の新規変異を持ち、13件には既知の自然配列にない変異の組み合わせが含まれた。
組み合わせが力であり、リスクでもある
Arcによると、Evo-Phi36は遠縁のG4ファージ由来の包装タンパク質を取り込み、従来の合理的設計では難しかった組み合わせを成立させた。AIが一部品だけを変えたのではなく、複数のDNA変更を協調させた点が重要だ。
“The ability to compose viral genomes using generative AI now exists; the governance to safely steer it does not.”
この警告が示すように、医療応用の可能性とバイオセキュリティの不安は同じ能力から生まれる。
治療の期待、制御は合成段階にも
Arcは、AI設計ファージの混合物が3株のPhiX174耐性E. coliで、1から5回の継代内に耐性を破ったと説明している。単独のPhiX174では失敗した。
実験は非病原性宿主で行われ、人間・動物・植物ウイルスの訓練データは除外された。今後はモデルの拒否だけでなく、DNA合成スクリーニング、研究審査、実験室管理を重ねる必要がある。
情報源:Science、Stanford Report、Arc Institute、The Guardian、Axios、CocoLoop;Science掲載、Evo 2の訓練と微調整、約300設計、16機能ファージ、67から392変異、1から5回継代での耐性克服、安全条件と治理論点を確認。