OpenBMBの新しいロボット向けリリースは、モデルを巨大化する話から入らない。ネットワークが弱く、機体側の計算資源も限られる場所で、ロボットが動き続けられるかを先に問うている。
MiniCPM-Robotは7月19日にGitHubで公開された。最初の2モデルは役割が分かれる。MiniCPM-RobotManipは操作用の1.5B VLAモデル、MiniCPM-RobotTrackは追跡とナビゲーション用の0.9Bモデルだ。Physical AI向け推論フレームワークのPhyAIも同時に示された。
最初の関門は遅延
公式READMEでは、MiniCPM-RobotManipがLIBERO easyで97.5、RoboTwin2 clean/randomで91.3/91.6を記録している。過去の観測をどれだけ覚えて動けるかを見るRMBenchでは53.3で、π0.5の10.4を大きく上回る。モデルカードは、1フレームあたりの視覚トークンを256から64へ圧縮し、H100 BF16の単一フレーム入力で1ステップあたり約120ms、π0.5は約234msだとしている。
長い作業ではもう一つの数字が効く。60フレームの履歴を持つ場合、従来の再計算は1ステップ125 TFLOPs、ストリーミング推論は3.3 TFLOPs。単純計算で約97%の削減だ。ロボットアームでは、この差がベンチマークだけでなく動作のつながりに出る。
犬型ロボットはローカルで追う
MiniCPM-RobotTrackの用途はさらに現場に近い。Unitree Go2 Eduが、言語指示とカメラ映像から対象を追う。公開値では、単一対象、複数人の干渉、曖昧な対象指定の3タスクで追跡率が89.8%、73.4%、80.4%。デプロイ環境も、Go2 Edu、Jetson Orin NX 16GB、Jetson Linux R36.5、CUDA 12.6、TensorRT 10.7、ROS 2 Humbleまで書かれている。ローカルのエンドツーエンド処理は5+ FPS、約180msだ。
ここでクラウド呼び出しの遅延とローカル制御の遅延を混同してはいけない。エレベーターや地下駐車場に入った後も、カメラ、エンコーダ、モデル、経路出力、制御コマンドが機体側で回り続ける必要がある。
動く形で公開されているか
今回の公開には、重み、推論例、Go2の導入メモ、環境手順、安全デフォルトが含まれる。Hugging FaceのカードではApache-2.0ライセンスも確認できる。PhyAIはその先の工学層だ。量子位は、RTX 5090上のπ0、π0.5、GR00Tでそれぞれ2.85倍、1.82倍、2.28倍の高速化、MiniCPM-RobotではCUDA Graphで10.12Hzから33.28Hz、融合カーネルでNVIDIA H20上36.77Hzまで上げたと整理している。
姚遠氏は、多くのロボットデモが単一タスク向けに大量データを集めて最適化しており、基礎モデルの進み具合をそのまま示すとは限らないと語った。
次の検証点は発表会の映像ではない。外部チームが数字を再現できるか、Go2以外の機体に移せるか、巡回・案内・倉庫作業で長時間の結果を出せるかだ。
参考情報:量子位;OpenBMB GitHub READMEで公開状況、Apache-2.0ライセンス、LIBERO/Calvin/RoboTwin/RMBenchとEVT-Benchの評価口径を確認;Hugging FaceモデルカードでManip/Trackの重みとローカル推論説明を確認、CocoLoop、OpenBMB組織ページでモデル更新状態を確認。