首から下げた小さな端末が、朝から晩まであなたの言葉をすべて録音し、AIが整理、リマインド、質問に答える——そんな光景が現実になろうとしている。
これはSFではなく、Metaが次に手がけるハードウェアプロジェクトだ。
内部メモが計画を暴露
The Informationが入手したMetaの内部メモによると、同社は衣服にクリップしたりネックレスとして着用できるAIペンダントを開発中。コア機能は会話の録音とAIアシスタントの提供で、1年以内にテストを開始する計画だ。
このプロジェクトは突然生まれたわけではない。昨年12月、Metaはまさにこの種のAIペンダントを手がけるLimitless社を買収。Metaは買収目的を次のように説明している。
「AI対応ウェアラブルの構築を加速する」
要するに、人材と製品ラインを買い、自社で製品化する段階に入ったのだ。
メモには他に2つの施策も記されていた。
- AIグラスの製品ライン拡充
- 「Wearables for Work」というエンタープライズ向けサブスクリプションサービスの投入
なぜ今ハードウェアに賭けるのか
数字が物語る:MetaのReality Labs部門は今年第1四半期に40億ドルの損失を計上。VR、AR、ウェアラブルに資金を注ぎ込むこの部門は長年赤字が続き、ザッカーバーグCEOは投資家の圧力にさらされてきた。そこにさらにペンダントプロジェクトを追加する。
それでも追加投資する理由は、グラスで成果が出たからだ。Ray-Banスマートグラスは好調で、日常的に身につけるものにAIを組み込む道が有効だと証明された。ペンダントは同じ論理の延長線上にある。顔にかけるグラス、胸にかけるペンダント——どちらもAIを常に身近に置くための手段だ。
誰も越えられなかった壁
興味深いことに、常時録音型AIハードウェアはここ数年ほぼ失敗している。問題は技術ではなく、プライバシーと有用性の2点だ。他人の胸元で常に録音するデバイスに、周囲の人は同意するのか。大量の音声を記録しても、AIが具体的にどんな実用的価値を提供するのか、いまだに誰も明確に示せていない。
HumaneのAI PinやRabbitのR1は、まさにこの2点でつまずいた。MetaがLimitlessを引き継いだことで、誰も越えられなかった壁に再び直面することになる。
本当の課題はペンダントではない
録音ペンダントを首から下げることに技術的な難しさはない。Metaが本当に答えなければならないのは、誰も答えられなかった問いだ——「録音できる」以外に、なぜ人々がそれを常に身につけたいと思うのか。
その答えを見つけるのは、さらに40億ドルを失うことよりも難しいかもしれない。
出典:Meta is reportedly developing an AI pendant(TechCrunch);CocoLoop、The Information内部メモ報道