GLM-5.1がSWE-Bench Proで首位、学習はすべて華為昇騰で実施

4月7日、Z.ai(旧智譜AI)は754Bパラメータ、MoEアーキテクチャのモデルGLM-5.1をMITライセンスでオープンソース公開した。

ベンチマーク結果:SWE-Bench Proで58.4%を達成し、世界首位。GPT-5.4は57.7%、Claude Opus 4.6は57.3%だった。

この数字だけでも話題を呼ぶに十分だ——オープンソースモデルがプログラミング能力という次元で、二大クローズドソースの旗艦モデルを正面から上回った。しかし、さらに興味深い点がある。

このモデルの学習は、華為昇騰910BチップMindSporeフレームワークのみを使用し、NVIDIA GPUは一切使われていない。

モデルの技術パラメータ

まずは基本スペック:

パラメータ
総パラメータ数754B
毎回の活性化パラメータ40B
アーキテクチャMoE + 動的スパースアテンション
コンテキストウィンドウ200Kトークン
最大出力131,072トークン
モデルファイルサイズ1.51TB(HuggingFace)
ライセンスMIT

主要ベンチマークスコア:

  • SWE-Bench Pro:58.4%(世界首位)
  • CyberGym:68.7%
  • BrowseComp:68.0%
  • AIME 2026:95.3%

SWE-Bench Proは実際のGitHub Issue修正をテストするもので、見かけだけを良くできる合成データセットではない。58.4%という数字の価値は本物だ。

8時間稼働できるエージェント

GLM-5.1にはあまり言及されていないが重要な能力がある:自律実行能力だ。

公式の説明では「8時間以上にわたりタスクを独立して実行し、数百ラウンドの操作、数千回のツール呼び出しを処理」——中断なく8時間以上連続稼働し、その間に数百のタスクラウンド、数千のツール呼び出しを処理できる。

ほとんどのモデルは複雑なエージェントタスクで数十ラウンドも持たずに崩壊する。コンテキストウィンドウが詰まり、推論が不安定になり、ツール呼び出しがループする。GLM-5.1はこの分野で明らかに特化した最適化を施しており、単に大きなコンテキストウィンドウに頼っているわけではない。

これはエンタープライズ向けエージェント展開にとって実質的な進歩であり、ベンチマークのスコア稼ぎではない。

最も注目すべき点:NVIDIA不使用

学習ハードウェア:華為昇騰910B
学習フレームワーク:華為MindSpore

これは小さな詳細ではない。

長年にわたり、大規模モデル学習の最適経路はほぼNVIDIA CUDA一択だった。H100、H800、A100——使えるものを使う。MindSporeのエンジニアリング成熟度はPyTorchに大きく差をつけられてきた。

GLM-5.1はこの経路が機能することを証明した。単に動作するだけでなく、GPT-5.4とClaude Opus 4.6を打ち負かすモデルを学習させたのだ。

「GLM-5.1 Tops SWE-Bench Pro With Zero NVIDIA Hardware」
—— Awesome Agents

この事実の政治的意義は技術的意義と同じくらい大きい。米国による対中AIチップ輸出規制は、もはや将来の脅威ではなく、現実の生産制約となっている。GLM-5.1は一つの実験結果だ:計算リソースが制限された条件下で、中国のAIチームは何を達成できるか

現時点での答えは:SWE-Bench Pro世界首位、MITライセンスでオープンソース、API価格は$1.26/Mトークン。

価格比較

GLM-5.1 API価格:

  • 入力:$1.26/Mトークン
  • 出力:$3.96/Mトークン

比較対象:Claude Opus 4.6は約$15/$75、GPT-5.4も同程度の水準。

SWE-Bench Pro世界首位のプログラミング能力がこの価格帯にあれば、AIプログラミング基盤の開発者にとって選択肢は明確だ。

もちろん、SWE-Bench Proがすべてのシナリオを代表するわけではない。GLM-5.1は数学的推論や汎用ベンチマークでは依然としてトップのクローズドソースモデルに劣っており、元記事もこの点を避けていない。これは万能チャンピオンではなく、プログラミングとエージェントの方向性で差別化を図った特化型モデルだ。

注目すべきトレンド

この1年、Z.ai(GLM-5.1)、DeepSeek(V3.2)、Kimi K2など中国のオープンソースモデルが各専門ベンチマークで次々に首位を獲得し、MITまたはApacheライセンスで、API価格はクローズドソースの競合を圧倒している。

Metaは一部クローズド化を発表し、OpenAIは旗艦モデルを真にオープンソース化したことがない——それに対して中国企業はウェイトを公開し続けている。

この構図は2025年初頭にはほとんど想像できなかったものだ。

出典:Z.ai Releases GLM-5.1: 754B Model Tops SWE-Bench Pro(WinBuzzer);CocoLoop、GLM-5.1 Tops SWE-Bench Pro With Zero NVIDIA Hardware(Awesome Agents);GLM-5.1 vs Claude, GPT, Gemini, DeepSeek: how Zhipu AI's model stacks up(APIdog)