6月1日、MiniMaxはM3をリリースした。一言で言えば、100万トークンのコンテキスト、最先端のコーディング能力、ネイティブマルチモーダルを備えたオープンウェイトモデルだ。MiniMaxは、これら3つを組み合わせたのは初めてだと述べている。
真の価値は「スパースアテンション」にあり
M3は、MSA(MiniMax Sparse Attention)と呼ばれる新しいアーキテクチャをベースにしている。
これが解決する問題を理解するには、従来の問題を知る必要がある。標準的なフルアテンションは、コンテキスト長の二乗に比例して計算量が増加するため、長いコンテキストではコストが爆発的に増大する。これが「100万トークンのコンテキスト」が長く語られながらも、実際に使うには高価だった理由だ。
MSAはこれを直接ターゲットにしている。MiniMaxの数字によると、100万トークンにおいて、M3は前世代のM2と比較してトークンあたりの計算量が20分の1、プリフィルは9倍以上高速、デコードは15倍以上高速だ。
つまり、100万トークンのコンテキストは「使える」だけでなく「手頃な価格」になったということだ。
ベンチマーク:自己報告だが印象的
コーディングがM3の主な焦点だ。MiniMaxは以下のスコアを発表した:
- SWE-Bench Pro: 59.0%(GPT-5.5、Gemini 3.1 Proを上回り、Opus 4.7に迫る)
- Terminal-Bench 2.1: 66.0%
- MCP Atlas: 74.2%
- OSWorld(コンピュータ操作): 70.06%
これらの数字が正しければ、オープンウェイトモデルとしては非常に競争力がある。
ただし、注意が必要だ。これらはすべてMiniMaxが自己報告したものであり、第三者による検証はまだ行われていない。一部の海外メディアはすでに「最先端の主張、未検証のベンチマーク」という見出しを掲げている。賢明な対応は、約10日後に公開されるウェイトとテクニカルレポートを待ち、コミュニティがテストするのを待つことだ。
価格も発表
MiniMaxは同時に料金プランも発表した:
- Plus: 月間約17億トークン、20ドル
- Max: 月間約51億トークン、50ドル
- Ultra: 月間約98億トークン、120ドル
APIはすでに利用可能。モデルのウェイトとテクニカルレポートは約10日以内にHugging FaceとGitHubで公開される予定だ。
より広い文脈で見ると、これは中国のオープンソースLLMが「長いコンテキストと有能なエージェント」に向けた新たな取り組みだ。DeepSeek、Qwen、Kimiはこの分野で1年間競争してきた。MiniMaxの差別化はアーキテクチャの効率性にある。パラメータの多さではなく、100万トークンのスケールでいかに高速かつ低コストに計算するかが焦点だ。
これは、プロプライエタリモデルが持つ「長いコンテキストは高すぎる」という堀を切り崩すものだ。
出典:CocoLoop、MiniMax Releases MiniMax M3 with MSA Architecture Supporting 1M-Token Context(MarkTechPost);MiniMax M3: Open-weight model with a million-token context challenges proprietary leaders(The Decoder);MiniMax M3 Open-Weight Coding Model: Frontier Claims, Unverified Benchmarks(TechTimes)