I/O 2026のオープニングデモで、Googleは興味深いことを行った。Antigravity 2.0にオペレーティングシステムを書かせたのだ。
12時間、93のAIサブエージェント、数百億トークン、1000ドル未満の計算コスト——OSカーネルが起動した。
しかしデモは完璧ではなかった。システム構築後、Doomを実行しようとしたところ、キーボードドライバが欠落していることが判明。舞台上のエンジニアがAntigravityに「キーボードドライバを追加」と指示すると、AIがその場でドライバを生成し、ゲームは動作した。
アップグレードではなく、スピンオフ
昨年、AntigravityはGoogle IDEに組み込まれたエージェントモードに過ぎなかった。今回の2.0ではスタンドアロンのデスクトップアプリとして独立し、完全な製品となった。
GoogleはAntigravity 2.0を4つの柱で構成している:
- デスクトップアプリ:オーケストレーションを管理し、複数のエージェントを同時実行、サブエージェントの並列処理、スケジュールタスク、バックグラウンドスケジューリング、ネイティブ音声コマンドをサポート
- Antigravity CLI:従来のGemini CLIを置き換え、Agent Skills、Hooks、Subagents、Extensions(現在はプラグインと呼称)を統合
- Antigravity SDK:エージェントハーネスのプログラム可能なインターフェースを公開し、ローカル実行が可能
- Managed Agents(Gemini API):1回のAPI呼び出しで、分離されたLinux環境と永続的なマルチターンステートを提供
さらに、Gemini Enterprise Agent Platformはエンタープライズ向けで、Google Cloudプロジェクトと直接連携する。
内部ではGemini 3.5 Flashが動作。Googleによれば、3.5 FlashはほとんどのベンチマークでGemini 3.1 Proを上回り、速度は4倍高速——クローズドソースのフラッグシップをフォークしてエージェントの作業エンジンとして活用する戦略だ。
価格設定はCursorとClaude Codeを直接ターゲット
Googleは遠回しにせず、価格を公開した:
- AI Ultra:月額100ドル、Proの5倍のクォータ
- Premium AI Ultra(250ドルから値下げ):月額200ドル、Proの20倍のクォータ
Cursorの上位プランは月額200ドル、AnthropicのClaude Maxも同額帯。Googleはこの価格帯に直接参入し、AntigravityはもはやGoogle AI Studioのおもちゃではなく、競争に来ていることを明確にした。
デスクトップアプリ、CLI、SDK、Managed Agentsを備え、AntigravityはCursorの全機能に加え、Workspace、Android、Firebaseとの統合を提供する。
Androidも巻き込む
I/Oでは、AI StudioがAntigravityと統合されたことも発表された。自然言語でAndroidアプリを記述すると、AI Studioがプレビューを生成する。
Googleはこのユースケースに境界線を引いた:軽量ユーティリティアプリ、AIアプリ、カメラやGPSなどのハードウェア機能を利用する小規模アプリ。ただし、アプリの公開にはPlay Storeの人間による審査が必要。
これは巧妙な一手だ。CursorはIDEに閉じ込められ、Claude Codeはターミナルに閉じ込められている。Googleは生産パイプラインをPlay Storeに直接接続した。Antigravityを使うAndroid開発者は、アイデアから公開までを理論上単一のワークフローで完了できる。
12時間OSデモの真の課題
12時間OSデモに戻ろう。
技術的には「魔法」ではない——基本的なOSカーネル構造には公開実装が多数あり、AIでつなぎ合わせるのは難しくない。本当に価値があるのは、デモが証明しようとしたことだ:
「93のエージェントを常時監視なしで同時に動作させ、結果として実際に動作するものを得られる」
これがGoogleが開発者に売りたいストーリーだ——あなたはもはやプログラマーではなく、エージェントのプロジェクトマネージャーである。
Cursor(Cursor 3.0はコードを書く代わりにエージェントを管理するIDEに再設計)、Anthropic(Claude Managed Agents)も同じストーリーを語っている。3社の製品形態は異なるが、同じ論点に収束する:
単一エージェントの時代は終わり、エージェントフリートの入口争いが始まった。
Antigravity 2.0は、この戦いにおけるGoogleの旗印だ。来年は、どのモデルがベンチマークで高いスコアを出すかではなく、どのプラットフォームが93のエージェントを互いに競わせずに運用できるかが問われる。
出典:Google launches Antigravity 2.0 with an updated desktop app and CLI tool at IO 2026(TechCrunch);Google Launches Antigravity 2.0 at I/O 2026: A Standalone Agent-First Platform with CLI, CocoLoop, SDK, Managed Execution, and Enterprise Support(MarkTechPost);Google I/O 2026: Google claims Antigravity 2.0 created an operating system in 12 hours, brings vibe coding to Android(Digit.in)