5月28日、AnthropicはClaude Opus 4.8をリリースし、APIでモデル名claude-opus-4-8として利用可能になった。価格は従来のOpus 4.7と変わらず、入力100万トークンあたり5ドル、出力100万トークンあたり25ドル。
しかし公式発表で強調されたのは別の数字だ。
「自信がない」と認めるようになった
Anthropicによると、Opus 4.8はコードの欠陥を見逃す確率が「従来モデルの約4分の1」だという。つまり、以前はコードに問題があっても気づかずにそのまま出力していたが、今では自ら「ここは確信が持てない」「バグの可能性がある」と指摘する。この自己チェック能力はベンチマークの向上よりも実用的に重要で、開発者が誤ったコードをデバッグする時間を大幅に節約する。知識タスクでも同様に、不確かな点を明示し、根拠のない主張を避ける。
ベンチマークも堅調
正直さに加え、Opus 4.8は主要な指標で好成績を収めた:
- Online-Mind2Web(Web操作):84%
- OSWorld-Verified(デスクトップ操作):82.3%
- Legal Agent Benchmark:全タスク合格基準で初めて10%超え
- CursorBench:全努力レベルで従来のOpusを上回る
- Finance Agent v2:Opus 4.7を凌駕
法律ベンチマークの結果は特に注目に値する。「全タスク合格」とはタスクの全ステップが正しいことを意味し、10%という数字は低く見えるが、これまでこの閾値を超えたモデルはなかった。こうしたタスクはエラーがほぼ許されない。
高速モードの価格を大幅に引き下げ
AnthropicはOpus 4.8の高速モードも刷新した。2.5倍の速度で、入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドル。従来の高速モードより3倍安い。これにより、速度向上のための割増料金が低減された。
さらに、以下の新機能も導入:
- Dynamic workflows(研究プレビュー):Claude Codeで数百の並列サブエージェントを起動
- Effortスライダー:claude.aiとCoworkで品質と速度のバランスを調整
並列サブエージェント機能と自己チェック機能を組み合わせると、単一のClaudeが単独で作業するのではなく、複数のClaudeが互いに監視し合うアプローチが見えてくる。
真の主力はまだ先
発表の最後に、コードネームMythosというさらに強力なモデルが示唆された。現在は一部のサイバーセキュリティ機関のみが利用可能で、Anthropicは安全性を確保した上で「数週間以内」に広くリリースするとしている。このパターン——安定した主力モデルを先にリリースし、より高度なモデルを後で示す——はAnthropicが何度も用いてきた手法で、理由は常に「安全性の準備」だ。
タイミングは戦略的
このリリースは、OpenAIがIPOに向けて機密S-1を提出する準備を進める中で行われ、両社の競争は製品から資本市場にまで及んでいる。Opus 4.8の価格を据え置き、高速モードのコストを削減することで、Anthropicは性能とコストパフォーマンスの両方で競争できる姿勢を示している。「正直さ」が次の競争軸になるかどうかは、OpenAIとGoogleの対応次第だ。
「自信がない」と言うモデルは華やかさに欠けるが、実際の使用では、ベンチマークの数ポイント向上よりも安心感をもたらすかもしれない。次世代Mythosは数週間後に登場予定だ。
出典:Introducing Claude Opus 4.8(Anthropic);Anthropic releases new model, CocoLoop、Opus 4.8(Axios);Anthropic Debuts Claude Opus 4.8, Teases Upcoming Launch of Mythos-Class Models(Gizmodo)