2月12日、Spotifyの共同CEO Gustav Söderström氏は決算電話会議でこう述べた。「当社の最高のエンジニアは、12月以降コードを1行も書いていません」。
同氏はさらに、AIがコード作成とデプロイの速度を大幅に向上させ、2025年には同社が50以上の新機能をリリースしたと付け加えた。
この発言は瞬く間に広がり、開発者コミュニティで大きな反響を呼んだ。興奮する人、恐怖を感じる人、真実ではないと言う人もいた。
Spotifyが実際に何をしているのか、詳しく見る価値がある。
使用しているもの:Honkシステム
SpotifyにはHonkと呼ばれる内部システムがあり、Claudeとワークフローパイプラインを統合している。
おおまかな使い方は次の通りだ。
エンジニアがスマートフォンでSlackを開き、Honkにメッセージを送信する。
iOSアプリのxxx機能を修正して。再現手順はxxxx
または:ユーザーに送信するプッシュ通知メールにxxx機能を追加して
Honkはタスクを受け取ると、以下の処理を実行する。
- Claudeを呼び出して要件を理解し、コードを生成
- 自動ビルドとテストを実行
- アプリの新バージョンにパッケージ化
- 結果をSlackにプッシュ
エンジニアは出社前にスマートフォンで完成版を確認し、問題がなければそのまま本番環境にマージする。
Vibe Codingとの違い
多くの人がこのようなワークフローを「vibe coding」と呼ぶ。数語話せばコードが出てくるという感覚だ。
Spotifyのアプローチは工業化されたプロセスに近い。明確な要件、テストカバレッジ、レビュー確認、デプロイパイプラインが存在する。エンジニアは適当に振動しているわけではない。アーキテクチャの決定、要件定義、品質管理を行っており、タイピングというステップだけをAIに外注している。
この違いは重要だ。コード品質はVibeで保証されるのではなく、自動化されたテストスイート、エンジニアの最終確認、そしてHonkの背後にあるエンジニアリングインフラによって保証される。
METRの研究でAIがプログラマーを遅くしたと言われているが、どう理解すべきか
確かに矛盾があるように感じられる。
以前、METRの研究を報じた。AIツールを使用した経験豊富なプログラマーは、AIを使用しない場合よりもタスク完了が19%遅かった。
しかしSpotifyの状況はMETRのテストシナリオとは異なる。
- METRはAIツールの下で新しく未知のタスクを書くことをテストしており、エンジニアはAIの誤りを絶えず修正する必要があった
- SpotifyのHonkは高度に構造化され、豊富なコンテキストを持つ内部タスク向けに設計されている。成熟したコードベース、充実した内部ドキュメント、標準化されたプロセス
Honkはこれらの条件下でうまく機能する。Claudeが活用できる十分なコンテキストがあるからだ。
エンジニアにとっての意味
Spotifyはエンジニアの数を減らしているわけではない。実際には製品リリースのペースを加速している。50以上の新機能の背後には、それらの機能が何をすべきか、どのようにあるべきかを考え出す人が依然として必要だ。
これがおそらく最も現実的なAIプログラミングの姿だろう。エンジニアが消えるのではなく、エンジニアの仕事がより高い抽象度へと移行している。コードを書くことから、コードが何をすべきかを定義することへ。
この変化がエンジニアの長期的なキャリア開発にとって何を意味するかは、まだ答えが出ていない。しかしSpotifyの事例は、適切なインフラが整っていれば、この変化が実際の企業ですでに起こっていることを示している。
出典:Spotify says its best developers haven't written a line of code since December,CocoLoop、 thanks to AI(TechCrunch);Spotify's AI Coding Shift: Honk and Claude Code Explained(Let's Data Science)