OSSモデルの追いつき期間、世代ごとに半減

SemiAnalysisが8月21日に発表したレポートは、過去3年半にわたるオープンモデルとクローズド最前線モデルの差を一本の曲線として描き出した。導き出された法則は単純明快で、オープンソース側が一世代分の差を埋めるのにかかる時間は、その前の世代の半分になるというものだ。

著者らはこの歴史を3つの段階に分けて計測している。初期のスケーリング段階ではGPT-3.5 Turboを基準とし、オープンソース側はLlama-2-70Bからスタートしたが、差を埋めたのは2024年7月のLlama-3.1-405Bの登場までかかり、1年以上を要した。推論段階になると明らかにペースが上がる。o1-previewが開けた12.1点の差は、R1-0528によって8.5カ月で埋められた。そしてエージェント段階では、Kimi K2.6がスコア56.3でOpus 4.5を追い抜くのに4.8カ月、GLM-5.2がスコア72.4でGPT-5.2を追い抜くのに6カ月しかかからなかった。

1年以上、8.5カ月、5〜6カ月——この3つの期間を並べると、半減の傾きがくっきり見えてくる。

なぜ追いつくスピードが上がり続けるのか

レポートはこの加速を、同時に起きているいくつかの事柄に帰している。オープンウェイトによって能力がそのまま持ち出せるようになったこと、蒸留によってスコアが安価に移植可能になったこと、さらには強化学習の環境自体も公開・再現されつつあることだ。著者らはほとんど判決文のような一文を残している——特に蒸留の働きを考えれば、永遠に秘密にできるものなど何もない、と。

この曲線をやや先まで延長してみる(この外挿自体はレポートには含まれていない)。もし半減の法則がもう一世代続くなら、次の追走期間は2〜3カ月にまで縮み、事実上同世代・同時期のリリースに近づく。クローズド側にとって、この圧力はランキングよりも先に価格設定に及ぶ。あるモデルがどれだけプレミアム価格を維持できるかは、先行期間の長さに左右される。先行期間が1年から四半期へと圧縮されれば、価格戦略を見直すまでの猶予もそれに合わせて縮んでいく。

コモディティ化という問い

レポートは市場が最も懸念する問いからも目を背けていない。オープンソースがごくわずかなコストで最前線に十分近い水準を維持し続けたら、モデル層はコモディティ化するのか、という問いだ。著者らは、そうした結末は最前線ラボの利益率にとって明らかに壊滅的だと記している。

続けて彼らは自らの判断根拠を示す。GLM 5.3やKimi K3といったオープンモデルは、Anthropicの年換算売上高を650億ドル超に押し上げたコーディングやエージェント関連の業務の多くを、レポート原文の言葉を借りれば「genuinely capable(本当にこなせる)」水準まで来ている。つまりスコアが近いだけでなく、実際の仕事でも同等のことがこなせるという意味だ。

需要側の規模感も示されている。レポートによればFireworks1社だけで1日に処理するトークン数はすでに40兆を超え、3月末時点のOpenAI APIの利用量の2倍に達しているという。オープンウェイトモデルをホスティングする推論ビジネスが拡大していること自体が、オープンソースの実力が証明された結果であると同時に、モデル層の利益が薄まっていく一つの経路でもある。

著者自身がブレーキを踏む

結論部分の論調は、最前線モデルを悲観する方向には向かっていない。レポートはベンチマークが全体の一部にすぎないことを率直に認めている。Kimi K3のスコアは高いものの、著者らの日常業務では依然としてFable 5を選ぶことが多いという。理由は二つある。一つは製品としての体験の差がスコアには現れないこと、もう一つはスコア自体が特定の強化学習環境によって押し上げられ得るため、ランキングと実際の使用感の間に構造的なずれが生じていることだ。彼らは全体の結論を、「最初に思っていたほど最前線モデルに悲観的ではない」という比較的穏当な一文にまとめている。

中国の読者にとって、このレポートにはもう一つの読み方がある。3段階の曲線のうち、最後の段階で追走の主役を演じているのは、ほぼ中国チームによるオープンウェイトモデルだ。Kimi、GLM、そしてレポートが名指しした次世代モデルである。海外のアナリストが「オープンソースの加速」を裏付けるために使ったサンプルは、実質的にこの中国勢のリリースペースそのものだったことになる。同じデータを別の角度から見れば、中国のベンダーがすでにオープンウェイトをクローズドモデル以外の補完策ではなく、正面戦場として位置づけていることも見えてくる。

ではクローズドソース側に何が残されているのか。レポートの答えは製品化、流通、エンタープライズ向けの提供体制にある。これらはベンチマーク表には現れないが、650億ドルという数字が誰の手に残るかを決める要因になっている。

参考資料:SemiAnalysis「Are Open Models Catching Up?」、CocoLoop編集部によるまとめ。各時代の追走月数、Kimi K2.6とGLM-5.2のスコア根拠、Fireworksの1日あたりトークン処理量はレポート原文で確認済み。