Anthropicは9月23日、Claude Codeのクラウドセッション(cloud sessions)がリサーチプレビューを終え、正式に提供開始されたと発表した。開発者はクラウド上でタスクを起動してノートパソコンを閉じても、Claude CodeはAnthropicがホストする環境で作業を続け、後からどのデバイスからでも結果を確認したり方向性を変えたりできる。
この機能を後押しするため、既存の契約者は一度きりのクレジットを受け取れる。Proユーザーは100ドル、Maxユーザーは250ドルで、申請期限は10月7日。コマンドラインで/claim-creditと入力するか、公式リンクから申請できる。
使い方
クラウドセッションには4つの入口がある。ウェブ版のclaude.ai/code、Claudeスマホアプリの「Code」タブ、デスクトップアプリ、そしてターミナルのclaude --cloudコマンドだ。利用を始める前にGitHubアカウントとの連携が必要になる。
報道によれば、クラウドセッションはそれぞれリポジトリの独立したコピーをチェックアウトし、専用のブランチ上で作業するため、複数のセッションを並行して走らせられる。ただし同じファイルを変更していれば、マージ時にGitの衝突が起きる可能性は人間が複数ブランチを操作する場合と変わらない。企業ユーザーはAnthropicが標準で用意するホスティング環境のほか、Coderなどのパートナー経由で自前ホスティングすることもできるが、具体的な対応範囲は公式発表ではまだ明らかにされていない。
向いているのは長時間かかる作業だ。大規模なリファクタリング、移行、依存関係のアップグレード、テストの繰り返し実行などがそれにあたる。これまではタスクを起動したマシンを起動しっぱなしにしておく必要があったが、その制約がなくなる。
クレジットの消費の仕組み
発表直後、クラウドセッションは別料金になるのではと誤解したユーザーが少なくなく、Anthropicの開発者向け公式アカウントが次のように説明した。
"Cloud sessions run on your Pro or Max plan, like the rest of Claude Code. This promo is an optional one-time credit that your cloud sessions spend first, before falling back onto your normal plan usage."
日本語訳:クラウドセッションもClaude Codeの他の機能と同様、ProまたはMaxプランの範囲内で動く。今回のプロモーションは任意で受け取れる一度きりのクレジットで、クラウドセッションはまずこのクレジットを消費し、使い切ってから通常のプラン利用量に戻る。
つまりクラウドセッション自体に別料金がかかるわけではなく、クレジットはプランの利用量の上に追加で積まれるバッファーという位置づけだ。
費用感を試算する
公式サイトの価格によると、Proは月額20ドル(年払いなら月換算17ドル)、Maxは月額100ドルから、利用量が5倍・20倍の2段階に分かれる。
ざっくり計算すると、Proユーザーが受け取る100ドルのクレジットはProの月額料金5か月分、Maxユーザーの250ドルは100ドルプランの2.5か月分に相当する。クレジットはドル建てなので、それが実際にどれだけのクラウド稼働時間に換算されるかは、タスクで使うモデルとトークン消費量次第であり、Anthropicは換算方法を公表していない。
この計算はAnthropic側にとっても意味を持つ。クラウドセッションは自社の計算資源上で動き、ユーザーがノートパソコンを閉じた後もタスクは走り続けるため、1回のセッションの継続時間とトークン消費量はローカルでの対話的な利用より高くなる可能性が高い。今年4月、Anthropicは一部の新規ユーザーを対象にClaude Codeを20ドルのProプランから外す実験を行ったことがある。当時グロース責任者は、利用量のばらつきが大きすぎて既存プランがそれを想定した設計になっていないと説明していたが、この施策は1日足らずで撤回された。
今回Anthropicは、クラウド機能を既存プランに組み込んだうえで、一度きりのクレジットでユーザーに試用を促す道を選んだ。申請期間が終わりクレジットを使い切った後、Proプランの5時間ごとの利用上限が長時間タスクをどこまで支えられるかが、ユーザーが最も直接的に感じるポイントになるだろう。
参考資料:Anthropic公式開発者アカウント、Claude公式料金ページ、CocoLoop、AlphaSignal。クレジット額と申請締め切りはAnthropicの発表に、プラン価格は公式料金ページのドル表記に基づく。