OpenAI、研究インターンAI達成 3.1人日相当と発表

OpenAIは9月6日に公開したレポート「Research acceleration: The view inside OpenAI」で、社内目標としていた「自動化研究インターン」を達成したと発表した。レポートはこれを、人間の指示のもとで定義が明確な研究タスクをこなせるシステムと定義しており、熟練した研究者でも数日かかるようなタスクも含まれるとしている。

この主張を裏付けているのは社内の利用データだ。8月中旬時点で、AIエージェントは研究者1人の標準的な8時間労働日に対して、3.1エージェント労働日分の作業をこなしている計算になる。同じ時期、研究者1人あたりの1日の推論コストは中央値で600ドルを超え、上位10%のユーザーでは1日7000ドルを超えた。同時に4つ以上のエージェントを動かす研究者も増えているという。レポートはまた、2026年8月のアクティブ研究者1人あたりの実験数が、2025年1月に統計を取り始めて以来最高値になったとも述べている。

レポート自身が挙げる限界

この文書は結果を誇張してはいない。成功率が集計されるのは、明確な正解(グラウンドトゥルース)があるタスクに限られ、客観的な正誤判定ができない研究業務は対象外だ。所要時間が4〜8時間のタスクでは、半数以上が依然として人間の介入なしには完了できない。文中には「The measurements are preliminary(この測定値はまだ暫定的なものだ)」と明記されており、さまざまな潜在的ボトルネックによって、個々の指標の伸びに研究全体のペースが追いつかない可能性があるとも警告している。

最終到達点については、レポートの表現は率直だ。「We do not yet know how to safely get all the way to aligned, full RSI(アラインメントの取れた完全な再帰的自己改善まで安全にたどり着く方法は、まだわかっていない)」——完全な再帰的自己改善への安全な道筋を、自分たちもまだ把握できていないと認めている。

3.1という数値は現時点で外部から検証できない。OpenAI独自の「エージェント労働日」への換算方法に依存しており、その換算のロジックは公開されていない。

前回のタイムライン提示から11カ月

この2つの節目は、今回新しく出てきた話ではない。2025年10月のライブ配信で、サム・アルトマン氏はこう語っていた。

"we think it is plausible that by September of next year, we have an intern-level AI research assistant and that by March 2028, we have a legitimate AI researcher."

(来年9月までにインターン水準のAI研究アシスタントを、2028年3月までに本物と呼べるAI研究者を得られる可能性は十分にあると考えている、という趣旨の発言だ。)

OpenAI自身の説明によれば、1つ目の節目は予告していた月のうちに達成された。2つ目の節目は引き続き2028年3月に据え置かれており、レポートはこれを、人間の監督下でディープラーニングやアラインメント研究を進め、反復的な改善を後押しできる自動化されたAI研究者であって、狭いタスクしかこなせないアシスタントではない、と説明している。

この年表には、あまり順調とは言えない2つの出来事も同じレポートに記されている。7月20日、セキュリティ上の問題を受けて同社のコンテナサービスが一時停止した。8月7日には、Astraが重大なサイバーセキュリティ能力を備えたと判定された。研究のスループットを押し上げているこの社内ツール群自体が、対処すべきセキュリティ事案も生み出している。

請求額も一緒に膨らんでいる

推論コストの数字は、3.1という比率よりも方向性を確かめやすい。研究者1人あたり1日600ドルという中央値は、250営業日で単純計算すると、100人規模の研究チームがエージェント呼び出しだけで年間およそ6000万ドル規模の計算コストを使う計算になる(学習コストは含まない)。上位10%にあたる1日7000ドルのユーザーなら、1人で年間およそ200万ドル近くに達する。

このお金の性質は、学習用の計算資源とは異なる。学習は一度きりの投資で、できあがったモデルは何度でも使い回せる。一方、研究者がエージェントで実験を行うのは純粋な消費であり、使えばそれで終わりで、使いこなすほど支出は増えていく。「4つ以上のエージェントを同時に動かす人が増えている」というレポート中の観察は、まさにこの支出曲線の傾きを示している。

外部の観察者にとって、次に答え合わせができる節目は2028年3月だ。それまでの間、突き合わせに使える公開資料は、OpenAI自身が発表したこのレポートしか存在しない。

参考資料:OpenAI公式のResearch accelerationレポート、CocoLoop、unite.ai。3.1エージェント労働日の比率、推論コストの中央値と上位10%水準、4〜8時間タスクにおける人手介入の割合、そしてアルトマン氏による2つの節目についての発言原文をOpenAIのレポートページで確認した。